ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

深まりゆくiの生活(2)

 わざわざ事前予約で購入なんてするくらいだから、思いはいっぱい詰まっている。なんでそっちの話題にしなかったのか。
 一言で言えば、廉恥心だろう。発売当日ったって、それが重大事件であるのは、ぼくだけの話。同じ日に手にする人は日本中に何万人もいるわけで、はしゃいだってしょうがないのだ。まあ、アップルストアで徹夜で並んで一番乗りで買ったってんならともかくだけど、実際には通販で買っているんで、受け取ったのはその日の夕方だ。開封の儀とか言って箱から取り出すだけのことをYouTubeで公開できるのは、やっぱり1番のやつだけの特権だろうね。そう、2番じゃダメなんですよ。
 大体、お金出せば最初の購入者にはなれるわけだから、いばれるほどのなにものもない。これが新しいマシンのロンチタイトルを開発するなんてことなら別だ―この場合は凄いよね。投資と投機のぎりぎりのラインに、自分たちの人生の何ヶ月かをかけているんだから。知り合いの中にはマジそういう世界に住んでいる人だっている。
 ときどき「イワシのリーダー」なんてことを考える。イワシの群れでは向きを変えた時にたまたま先頭にいた個体が便宜上のリーダーになるのだが、インターネット時代のトップランナーなんてのは、どうもそんなのばっかな気がする。自分までその一員になってしまうのは、やっぱり恥臭いのだ。