ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

雑誌が消える!(終)

今回は、一週間にわたって断続的に書いてきたのだけど、そろそろ終わりにしよう。 週刊アスキーは、公式には「電子媒体への移行」ということになっている。この種の言葉は、まあ「廃刊」を「休刊」と言い換えてたのと同じような婉曲表現として使われがちなの…

雑誌が消える!(5)

実際のところ、本屋には膨大って言ってもいい種類の雑誌が並んでるわけで、その消滅を危ぶんでいるぼくの主張は、虚しく聞こえるかもしれない。 これには、ちょっと補足が必要だ。 事実、専門誌というのは、決して消えそうなわけじゃない。だけど一方で、そ…

雑誌が消える!(4)

週刊アスキーの前に、月刊アスキーがあった。これは、パーソナルコンピュータの世界では、クオリティマガジンといっていい代物だった。もちろんお高く留まってるわけじゃなく、相応に色物ページもあったのだが、そういうところに感じられるのも「ウィットと…

雑誌が消える!(3)

「LEON」、「Pen」、「MONOQLO」、「ターザン」、「ワイアード」、あと「エアライン」と「航空旅行」……今のぼくが読んでいる(定期購読はしてないけど、まあ結構よく買っている)雑誌を挙げると、こんなところになる。最後の2つはホビー誌だから、その時々…

雑誌が消える!(2)

なんで雑誌じゃなきゃだめなのか。今の時代なら、比較対象はインターネットってことになるだろう。となると答えは簡単。情報の、量とゆらぎだ。 先述の「初歩のラジオ」。タイトルで断ってあるぐらいで、まあそう難しい内容とは言えないものの、ほんとうの初…

雑誌が消える!(1)

クイーンの90年頃の名曲に「Radio Ga Ga」がある。 そこで歌いあげられてるのは、こんな内容だ。……ラジオ、それは少年時代の友人だった。世界大戦や映画スターそして火星人の襲撃まで、いろいろなものを教えてくれた。それがどうだい、今ときちゃ……(これ以…

斜鏡な日々(終)

今回はいつにも増して、だらだらと書き連ねてしまった。 元々が、ぼやきだからね。建設的でないのも、ちょっと仕方ない。実際、最近のぼくは特許法の写経に忙しく、あまりブログの文章を書いている時間がとれないでいる。今日は休日出勤で、しかも出勤時刻が…

斜鏡な日々(5)

お経は、憶えないといけないものなんだろうか。 現実問題として、アンチョコみながらお経を読む坊さんには、あまり会わない。実家の宗派は臨済宗で、般若心経以外にも「なむからたんのう、とーらーや、とーらーや、」なんて梵語を音転写したのまで、葬儀や法…

斜鏡な日々(4)

暗誦といえば、祝詞にも取り組んだことがある。 きっかけは、当時日課にしていた熱田神宮参拝でのことだった。その頃、ぼくは昼休みに早足ウォーキングをしていた。学校から出て、熱田神宮に入り、玉砂利をじゃりじゃりと踏みしめながら歩く、概ね30分ぐらい…

斜鏡な日々(3)

暗記が好きな人は少数派だろう。ただ、ノリと勢いでやれてしまうことがある。化学の周期表の「水兵リーベ」だって、作られたときはそんなシャレだったんだろうね。ぼくの代では、これはもう体制に組み込まれてしまっていたから、遊び心の対象にはならなかっ…

斜鏡な日々(2)

お寺には「写経体験」みたいなものもある。坊さんが直接指南してくれるような本格体験もたぶんどこかでやってるんだろう。でも前にぼくが体験したのは、もっと観光ライクなやつだ。場所は京都の三千院。入った部屋の一つがそのための場所だった。誰もいない…

斜鏡な日々(1)

試験が終わって、3週間がたった。パーッと遊んだのかっていうとそんなこともなくて、粛々と勉強を続けている。 最近やっているのは、条文の書き写しだ。条文の中の主要なものをチェック、ノートに手で書き出していく。 条文なんて、いくらでも印刷されたも…

プレステはるかなり(3)

なぜ盛り上がらないのか。 日本のゲーム産業の父とも言える、任天堂前社長の山内溥さんは、こんなことをよく行っていた。 「ゲームというのは生活必需品やない。 せやから、前のよりいいとか、数が多いとか、 そんなことじゃお客さんは買ってくれんのや!」 …

プレステはるかなり(2)

盛り上がりの不足というのは、ぼくだけの現象化というと、そうでもないような気がする。何より、周囲にいる学生たちの間でも、あまり盛り上がっていない。実際たずねてみても、まだまだ持ってる方が少数派だ。 昔はこんなことなかった。昔と言ってもそんなに…

プレステはるかなり(1)

プレステ4を、買う必要性が出てきた。突然降って湧いたのかっていうと、そうでもない。ずっと前から必要性はあった。あったけど、まあ閾値に達する前みたいなもので、なしでも何とかなった。発売以来1年以上そんな状態が続いていて、ぼくは自分が茹でガエル…

買えないッ!(3)

思えば昔のぼくは、もっと頑固だった。気に入るものがなかったら、自分で作ってしまっていたのだ。 そういうことをし始めたのは、概ねパソコン使い出した頃と一致する。システムノートに凝りだした時でもあって、市販リフィルを超えたものをあれこれと構想し…

買えないッ!(2)

知的ディレッタントというのは繊細な生き物で、文房具というのはその繊細さがいちばん発揮される局面で使われるものだ。この人種、退屈とマンネリを嫌うくせに、様式をも欲する。そして、様式が確立してしまうと、もうそれがないと行為自体ができなくなって…