ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

バッカスの微笑がえし(4)

酒、特に醸造酒の歴史をたどると、たいてい伝説とか神話とかに行き着く。そこにいくとカクテルは、多くの場合作者がいる。単に酔っ払いたいだけなら、そんなのわざわざ開発する必要もない。明確かつ積極的な意図によって作られた作品、ということで、ゲーム…

バッカスの微笑がえし(3)

オブジェクト指向としての酒において、カクテルというのは四重のインスタンスとなるだろう。 これもまた、ほぼ共通の手法によって成り立っている。具体的には、これ。 「蒸留酒になにか混ぜる」 この何かが「水」ではさすがにカクテルとは呼ばれない。でも「…

バッカスの微笑がえし(2)

酒という飲み物は、ほぼ共通の技術によって作られている。 利用される現象は発酵。原料として「糖質を含む液体」を用意、この中で微生物を繁殖させ、アルコールを作らせるわけだ。後はそのまま飲んだり精製したり、あるいは抽出後に貯蔵したりとかで、いろい…

バッカスの微笑み返し

量販店タイプの酒屋をぷらぷらと歩いていて、足が止まった。リキュールの棚にあった、「ミドリ」という酒だ。 蒸留酒を好むぼくとしては、リキュールは直接の対象じゃない。ただ、一時期カクテルに熱中していた関係から、銘柄は全般に知っている。ミドリの実…

使用上の注意守らないとどれだって「危険」だよ

最近、ちょっと呆れたことがある。『危険ドラッグ』だ。 これが引き起こしている事件・事故や使っているタワケ共について呆れているわけじゃない。それは、呆れなんて感情レベルで片付けられる問題じゃないから。 では、ぼくは何に呆れているのか。ずばり、…

それでもぼくは叫ぶ

「暑いッ!」 なんて言葉にしたって、暑さが和らぐわけじゃない。でも言わずにいられないのは、不思議なものだ。 最近、自転車通勤を休んでる。家をでるのは8時頃だけど、この時間帯だともう日差しがやばいのだ。バス停までは歩いて10分。そこまで行ってしま…

デスクトップのあれこれ(7)

思いの外、長く書き続けてしまった。そろそろまとめにしよう。 デスクトップという言葉、本来はメタファー(比喩)だった。パソコンの画面を「机の上」になぞらえて、そこに本だのノートだのが置かれるようにウィンドウを開く、そういう意味が込められていた…

デスクトップのあれこれ(6)

クラウドコンピューティングというコンセプト、発想自体は名前そのものほどは新しくなく、むしろパソコン以上に古いとも言える。 コンピュータという道具、単純化すれば、3通りのユニットで構成されている。ユーザーインタフェイス、内部処理、外部記憶だ。…

デスクトップのあれこれ(5)

近頃つくづく実感させられるのは、クラウドの充実だ。 昔から、複数のコンピュータ間でのデータのアップデートには、苦労させられていた。昔ならフロッピーディスク、比較的新しくはUSBフラッシュメモリ、こうした小さな外部記憶を持ち歩くことは一般的だけ…

引け目を感じるとき

街に浴衣のカップルをやたらと見かける日があったら、それはたいてい花火大会の日だ。東京なら、隅田川や東京湾。そして名古屋でも名古屋みなと祭花火大会なんてのが開かれる。このブログを書いている今日(7月21日)が、その日だ。 地下鉄の券売機で、彼ら…

デスクトップのあれこれ(4)

ぼくのデスクトップは、ここ1年で様変わりしてきている。メインで使うアプリケーションが変わってきたのだ。 前までは、『秀丸エディタ』と『WinFM』。前者がテキストエディタで、文章はこれで書く。機能やインターフェイスを大きくカスタマイズすることがで…

デスクトップのあれこれ(3)

風景画ではキャンバスを横に使い、人物画は対照的に縦につかう。ここから、横長の状態をランドスケープ、縦長の状態をポートレートと呼ぶ。 パソコンのディスプレイは、昔からランドスケープが普通だ。でもぼくはポートレート派。自宅のMacミニにつないでい…

デスクトップのあれこれ(2)

で、デスクトップについて。 こんにちのPCのデスクトップは、広い。まずディスプレイがでかい。17インチなんてのはもう狭い方で、iMacでも小さい方が21.5インチだったりする。そして、1920☓1080なんて画素数が、普及機においてもすでにデフォルトだ。 こうな…

デスクトップのあれこれ

MacOSには、クリッピングという機能がある。デスクトップをクリップボード代わりに使ってコピー&ペーストができるというものだ。 例えばWebを見ていて、引用したい文章があったとする。通常のコピー&ペーストだと、範囲選択をしてからCtrl+C…ってな感じだ…

危ない夢日記(5)

夢日記の話は一応前回で終わったけど、せっかくだからもう少し隣接テーマを続けてみよう。 夢で不思議に思っていたことがある。時間のずれだ。 邯鄲の夢なんて話があるけど、そこまでの大河ドラマじゃないにしても、現実時間と夢の中時間は差が激しい。夢の…

危ない夢日記(4)

夢といえば、江戸川乱歩の揮毫のことを思い出す。サインを求められると、こんな言葉を書き添えたんだそうだ。 「現し世は夢、夜の夢こそ真」 でも、乱歩自身はそんなに夢見がちな作家ではなかったと思う。明るくて論理的な文章を書くし、作品として描いてい…

危ない夢日記(3)

さて、自分自身で封印した夢日記だけど、あるとき、また付けるようになった。「最近」というほど近くはない。まあ大体今年になってすぐぐらいだ。 で、ここからそれを元に「山田版・夢十夜」が始まるのかというと、そういうわけじゃない。というのも、全然お…

危ない夢日記(2)

夢日記を始めたきっかけはもうひとつあった。夏目漱石『夢十夜』の影響だ。 この作品、「こんな夢を見た」という書き出しから始まる、10作の連作になっている。10本足しても短編程度の尺しかないから、連作掌編といったほうがいいかもしれない。物語とか世界…

危ない夢日記

若者だった頃、心理学にはまったことがある。といっても大学の心理学科でやってるようなちゃんとしたのじゃなくて、フロイト=ユング系の(よく言えば)文学的なやつだ。それで始めたのが、夢日記。枕元にノートを置いて、目覚めた直後でまだ記憶の残ってい…

合言葉はアンチ反知(6)

反知性主義とは何か。これが単に知性が嫌いというだけなら住み分けできるから問題ないのだけど、残念ながらそうじゃない。 知性そのものには興味がある。ただ、欲するのは結果だけ。きちんと獲得することに対して消極的で、そういうことにしっかり取り組んで…

合言葉はアンチ反知(5)

昔の下品なおやじは、高等教育が崩壊していた時代の産物だったと思う。例えば第二次大戦期から戦後にかけて、教育システムはほとんど機能しなくなっていたし、復活してからは常にキャパ不足に悩まされていた。そしていったん数だけは何とかなったものの、学…

合言葉はアンチ反知(4)

下品なおやじ問題。まだ検証はできないのだけど、ぼくは反知性主義とかなり深く関わっているのではないかと思っている。 下品な野次といえば、かつて(たぶん10年以上前だ)こんなのがあった。国会のどこかの委員会で、野党議員が質問に立ち、こんなことを論…

合言葉はアンチ反知(3)

他人ごとのように罵ってきたけど、実は反省すべきところもある。下品なおやじがのさばっていた当時、若者や少年はどうしていたのか、ということだ。 70年代、ぼくは子供だった。そして当時の大人は、臆面もなく下品だった。だらしなく酔っ払って駅のベンチに…

合言葉はアンチ反知(2)

下品なおやじについての疑問は、水源部分に及ぶ。あれはどこから供給されてくるのだろうか、ということだ。 時は誰にでも平等に流れる。下品はおやじは下品なじじいになり、やがて下品だった故人へと変わる。だからほっとけば絶滅するはずだ。なのに、いっこ…

合言葉はアンチ反知

下品なおやじというのが、どうにも苦手だ。 相手をするのはもちろん嫌だし、近くにいてその言動を見たり聞いたりするのも嫌だ。今、幸いにしてそういうのを相手にする仕事をしていないから、前者の「嫌」はすでに過去のもの。だけど後者のはそういうわけには…

待ち人来たれども(3)

そんなわけで、ずいぶん待たされた割には、どうにも満足の行かない結果だった。 まず、思ったほど入らなかったということ。棚板の少なさも含め、使い勝手がどうにも悪く、必要とする本をうまく収めることができなかった。 まあ、棚板の問題は仕方ない。いず…

待ち人来たれども(2)

オプション商法という言葉がある。前にプリンターの記事を書いた時にカートリッジ商法に触れたけど、それに似ている。例えば昔の車だと、エアコンがオプション扱いだった。今でもナビはそうだ。前に乗ってたのはヴォクシーだったけど、ハンドル側のリモコン…

待ち人来たれども

前に書いたニトリの本棚、6月最後の日曜に到着した。 この種の家具、組み立て式が多くて、届いてからが一苦労になる。けど、今回のは完成品の配達で、二階の部屋まで上げてくれるという。まあそう重いものではないのだけど(実はそういう重厚なものも考えた…

自転車でも走ってる(7)

自転車は「調和」を重んじた乗り物だ。 例えばそこに坂があるとすると、力づくでねじ伏せるのが車のやり方だ。車のための道は、たとえそこが丘陵地帯だったとしても、地図上の最短距離でつないでいく。風もそうだ。向かい風も横風も、考えは同じ。マシンにパ…

自転車でも走ってる(6)

自転車通勤での悩みは他にもある。例えば、なぜかお腹がすくこと。 もちろん運動というのはお腹がすくのが当たり前なんだけど、ビフォアアフターの違いがそれほどないのに決定的に違ってくるというのは、変だ。前までの自転車通勤との差なんて、10分もない。…