ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ゲームほど素敵な仕事はないッ!(終)

間を空けながら書いているうちに、気づいたら4月も後半になってしまった。 いよいよ今年度のゲームデザインの授業が始まる。十数年の教員(&講師)生活の中、ただの一度も欠かさなかったのが、これだ。そして、少し遅れて、有志のみを対象にした企画ゼミも…

ゲームほど素敵な仕事はないッ!(9)

簡易なゲーム開発環境そのものは、昔からある。独立したばかりの頃のぼくがはまったのがそういうソフトの一つ、DIRECTORだった。より一般的には遅れて登場したFLASHの方だろう。インターネット環境での動作が前提となる分使いづらい面はあったが、何しろ安価…

ゲームほど素敵な仕事はないッ!(8)

さて、以上のべてきた「ゲームデザイナー論」は、一つの前提の上に成り立っている。「ゲーム会社で仕事をする」ということだ。 ファミコンの登場からほんの2・3年前に至るまで、ゲームデザイナーになるためにはゲーム会社で仕事しなければならないというのは…

ゲームほど素敵な仕事はないッ!(7)

一方、スケジュール管理は、もっと「勉強して理解しておくこと」の比率が多いとも言える。 まず工程が把握できていないと絶対にできない。ガントチャートは、ジョブを小分けにして項目化するところから始まるわけで、作業の全体が理解できていなければ書ける…

ゲームほど素敵な仕事はないッ!(6)

というわけで、読み書き、聞き話す、そういうスキル。そして、ガントチャートを描くということ。さしあたりはこういうことができないといけないわけだ。 とはいえ、以上は第一階層にすぎない。「……を実現するためには何が必要か」の問いという形で、すぐ裏の…

ゲームほど素敵な仕事はないッ!(5)

話を戻そう。ゲームデザイナーの仕事を、提案者と管理者という2つのモードで考える。これが、ぼくのやり方だ。そしてこのように理解することで、志望者が身に付けるべきスキルも、明確に定めていくことができる。 提案者は、何よりも話せなければならない。…

ゲームほど素敵な仕事はないッ!(4)

ここで1つ確認しておこう。デザインは、プロセスだと言うことだ。 少なからぬ人が勘違いをしているのだが、デザインというのは「卓越した個人による芸術的な創作活動」ではない。もちろんそういう要素はあるのだけど、あくまでも要素にすぎない。本質は、プ…

ゲームほど素敵な仕事はないッ!(3)

この仕事に求められる要素は何か。 ぼくは2つの立場で説いている。提案者、そして管理者だ。 ゲームデザイナーは、ゲームを構想する。つまりは「面白い」を考えると言うことだ。沈黙したままで考えていても仕方がない。人に話さなくちゃいけない。だから考案…

ゲームほど素敵な仕事はないッ!(2)

ゲームデザインとは、ゲームのデザインのことを言う。 デザイン=設計。このことは、知っておいたほうがいい。ためしに英語の辞書でdesignを引いてみると、①で書いてある意味はこれだ。 ただ、小説を書くという行為がパソコンのキーボードを打つことだけで成…

ゲームほど素敵な仕事はないッ!(1)

ゲームデザインを教えて何年か、もう数えるのもめんどくさいことになってしまった。 ただ、同業者=ゲームデザインを担当しているティーチャーの中では、かなりの古参であることは確かだ。初めて学生の前に立った時、扱ってたプラットフォームはスーパーファ…