ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

物式カルチャー倶楽部

プレステはるかなり(3)

なぜ盛り上がらないのか。 日本のゲーム産業の父とも言える、任天堂前社長の山内溥さんは、こんなことをよく行っていた。 「ゲームというのは生活必需品やない。 せやから、前のよりいいとか、数が多いとか、 そんなことじゃお客さんは買ってくれんのや!」 …

プレステはるかなり(2)

盛り上がりの不足というのは、ぼくだけの現象化というと、そうでもないような気がする。何より、周囲にいる学生たちの間でも、あまり盛り上がっていない。実際たずねてみても、まだまだ持ってる方が少数派だ。 昔はこんなことなかった。昔と言ってもそんなに…

プレステはるかなり(1)

プレステ4を、買う必要性が出てきた。突然降って湧いたのかっていうと、そうでもない。ずっと前から必要性はあった。あったけど、まあ閾値に達する前みたいなもので、なしでも何とかなった。発売以来1年以上そんな状態が続いていて、ぼくは自分が茹でガエル…

買えないッ!(3)

思えば昔のぼくは、もっと頑固だった。気に入るものがなかったら、自分で作ってしまっていたのだ。 そういうことをし始めたのは、概ねパソコン使い出した頃と一致する。システムノートに凝りだした時でもあって、市販リフィルを超えたものをあれこれと構想し…

買えないッ!(2)

知的ディレッタントというのは繊細な生き物で、文房具というのはその繊細さがいちばん発揮される局面で使われるものだ。この人種、退屈とマンネリを嫌うくせに、様式をも欲する。そして、様式が確立してしまうと、もうそれがないと行為自体ができなくなって…

買えないッ!(1)

あてにしていた商品が、不意に市場からなくなってしまうと、かなり戸惑う。 去年の今の時期、ランニングを本格化したぼくは、それ用の日記を買いに店に行った。残念ながら専用品はなかったものの、6月始まりのダイアリーが十分な数並んでいて、じっくり吟味…

やっとのiPhone

iPhone6を、やっと購入できた。 買うこと自体は、少し前から決めていたのだ。ただ、全然買いに行く時間が取れなかった。 最近、週末のたびに何かある。仕事も入るし、それ以外の日も一日かかるようなイベントが待っている。なるべく早く用事を終わらせてショ…

みんな疲れたのか?

Kindleがどうにも調子悪い。 とにかく反応が鈍いのだ。画面をタッチしてもうんともすんとも言わなくなってしまう。やっと動いたと思ったら、そこまでの数度のタッチをしっかり記憶していて、いっきに数ページ移動してしまったり。戻ろうと思うと、また無反応…

冷水まみれのスタパ

少し前から、iPodを気にしていた。 用途は、ランニング用。走っていると、音楽は勝手に頭のなかで鳴ってくる。でも、ペース維持には役立たたない。体内メトロノームは、ヘタレ度の影響を受けやすいからだ。これではフルマラソンとか無理なわけで、外部音源の…

待ち人来たれども(3)

そんなわけで、ずいぶん待たされた割には、どうにも満足の行かない結果だった。 まず、思ったほど入らなかったということ。棚板の少なさも含め、使い勝手がどうにも悪く、必要とする本をうまく収めることができなかった。 まあ、棚板の問題は仕方ない。いず…

待ち人来たれども(2)

オプション商法という言葉がある。前にプリンターの記事を書いた時にカートリッジ商法に触れたけど、それに似ている。例えば昔の車だと、エアコンがオプション扱いだった。今でもナビはそうだ。前に乗ってたのはヴォクシーだったけど、ハンドル側のリモコン…

待ち人来たれども

前に書いたニトリの本棚、6月最後の日曜に到着した。 この種の家具、組み立て式が多くて、届いてからが一苦労になる。けど、今回のは完成品の配達で、二階の部屋まで上げてくれるという。まあそう重いものではないのだけど(実はそういう重厚なものも考えた…

持ち家プロローグ(5)

引越しのフラクタル性は、家そのものがフラクタルな構造体であることに根ざしているのかもしれない。 基本的には、箱にすぎない。ところどころ斜めにカットされていたり、穴があったり張り出していたりだけど、箱を適当に間仕切りしたものとして、とりあえず…

持ち家プロローグ(4)

人生における初引っ越しは、幼児期のことになる。 元々南部の市営住宅に住んでいたのだが、父親が一念発起して郊外に一戸建てを購入、一家として移り住んだ。これが、最初。 ただこのときのは、あまりに幼すぎ、全く記憶が無い。そして二度目は、自分が成人…

持ち家プロローグ(3)

実は申し訳ない気持ちには、未梱包な荷物以外に、もう一つの要因があった。重さだ。 ぼくの荷物には、本が多い。 もちろん自分が全然たいしたことない本持ちであることは、自分がよく知っている。というか、こちらは大海も知っていれば、天の高さだって知っ…

持ち家プロローグ(2)

2週間も前から準備していたはずなのに、結局全てを片付けきれないまま、当日の朝を迎えた。もちろんそれを迎えた場所は、ベッドの上ではない。ダンボール箱の山の前だ。いや、山の中といってもいいかもしれない。全然片付ききらない荷物の群れの前、ふだんな…

持ち家プロローグ

引っ越しを進めてみて、気付いたこと。それは、この作業がフラクタルだということだ。 全体にも複雑さがある。いちおうその辺を理解し終えて細部を見始めると、そこにも同じレベルの複雑さがあることに驚かされる。そしてさらに細部には…こんな状態がずっと…

リスク回避としての持ち家主義(2)

家を買うのは、家賃の先払いだ。ぼくはそう思っている。もちろん家には資産という要素もあるけど、償却のスピードが早すぎて、ちょっと難しい。 それに、本当に資産になるほどの家がぼくたちふつうの人間に買えるんだろうか。 例えばダイヤ。テレビCFだと「…

リスク回避としての持ち家主義

家を買わない、これがぼくにとっていちばんのリスクヘッジだった。 家というのは、とにかく高い。何十年ものローンを組んで買うしかないが、これが人生の選択肢を大きく減らしてしまう。月収の下限が決まってしまうから、好きな職業が選べないのである。ある…