ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

グロム注意!(2)

 さてこのグロム購入、「買えない!」ことへの驚きがあった。

 だいたい最近のぼくたちの買い物は、オートメーション化されている。ネットで探して後はいくつかクリックすれば発注は終了、何日が後に自動的に商品がやってくるというのがあたりまえだ。もちろんコンサートチケットとか、カネがあっても買えないものはあるし、車とかだと長期間の納期待ちがあることも知ってる。だけど、原付二種というコモディティ的な商品で半年待ちなんてことがあるとは思っていなかった。

 実はグロムはホンダだけど輸入車だ。生産しているのはタイの現地法人で、これが半年待ち発生の理由になる。125のバイクは日本では売れ線ではない。なので、グロム生産ラインでは日本向けの生産を早々に切り上げ、東南アジア諸国向けに切り替えた。で、いざ発売してみたら想像以上にヒットしたものの、切り替えたラインは今さら戻すことができず、結局後ろに持ってくるしかなかったからなのだ(以上、バイク屋のおじさんからの受け売り)。

 これは、一見すると「グローバル化がもたらしたトラブル」に見える。でも、実際は逆だ。世界の中で、日本だけが仕様の異なる商品を必要としてたということから来ている。もし日本市場がちゃんとグローバル化していたら、世界共通仕様のマシンをそのまま持ち込めばいいだけの話だ。それがガラパゴス的に独自の規制を入れているから、こういう不合理が発生する。