ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

クレジットカードクロニクル(3)

 少し間が開いてしまった。

 ここでちょっと解説でもしておこう。うんちくっていうよりは、知らない人向けの講釈だ。だいたいぼくのブログのプライマリーリーダーは自分が教えている学生なわけで、彼らの大半はクレジットカードなんて持っていない。でも、これだけカード会社がPRをしている以上、興味も関心もないなんてことはないだろう。


 クレジットカードは、代金後払いで買い物ができるシステムだ。提示してサインをすれば清算完了。あとはその月の終わりまでに購入した分が、翌月以降の決まった日にまとめて銀行口座から引き落とされる。発行しているのは信販会社で、ユーザーはここと契約して、カードを発行してもらう。

 さて、クレジットカードでの買い物には、利子がつかない。現金の場合と同じ金額を、1ヶ月プラス遅れで支払うということだ。手数料も、カード自体にかかっている年会費分を除けばかからない。

 これはかつてのぼくを驚かせた問題だ。なぜ無利子で商売が成り立つのか。しかも手数料もかからないと来ている(セゾンは年会費無料)。銀行なら単なる送金で何百円も手数料をとるっていうのに…‥答えはあっけない。実は決済額の何%かを「手数料」として店の側からとっているのだ。

 クレジットカードというものを店の側から見ると、「現金を持っていない客でも、信販会社が建て替え払いをしてくれるシステム」ということになる。客の購買意欲を刺激したものの、肝心のカネを持っていなかった…‥なんて場合でも、これを使えば買わせることができる。小売店にとって、数%のリベートは大きい。でも、機械逸失とのバランスでペイすると思えば、クレジットカード会社と契約するということになる。


 さて、今日の話の中には一点注意点が。

 利子や手数料がつかないと書いたけど、これは一括払で買った場合だけだ。分割払いとかボーナス月払い、そしてリボ払いの場合だと、ちゃんと金利がつく。

 小売店が払う手数料は、だいたい3~5%なんだそうだ。僅かな利ざやで勝負している小売店にとっては痛いだろうけど、カード会社からすると「たったの」が付く数字だろう。そしてこれをブランドホルダーやアクワイアラーと分け合うんだから、かなり切ないことになる。

 でももし顧客がリボ払いを選択してくれたら、法定金利の上限に迫るほどの金利をとることができる。「ポイントプレゼント」とか称してやたらとリボ払いを薦めてくる理由は、ここにあるわけだ。

 まあそんなわけで、クレジットカードにはじゅうぶん注意してね…なんていいたいわけじゃない。『ビジネスモデル』というものの例として、あげたかったということだ。

 もう少し、こんな話が続く。