ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

再会から再開へ(5)

 さて、あらゆる方向において行き詰まっていたわけだが、それが逆に救いとなった感がある。全方向を包囲されていることがはっきりわかれば、とるべき行動は一つ。自分が今向いている方向に向かって突き進むことだ。もし包囲の輪が緩んでいる場所があるかもしれないとか、あるいは完全包囲に至っていないとかだと、つい期待を持ってしまう。でも、どこにも有利な道がないとしたら、もう迷う必要はない。

 ぼくを袋小路に追い込んでいたのは、「ウケる」ということだった。どうしたらウケる読み物サイトを作れるのかということで、これへの回答がどうにも見つからなくって、とりあえず見つけたつもりではじめて見てもやがて行き詰まった。だけど、これへの解決策は簡単な事だった。気づいてしまえば、それだけのことだったのだ。

 ウケるとか、売れるとか。それを目指すから、道が見えなくなる。でも、ウケもせず売れもしない文章なら、それはぼくにとって書く意味のないことなのだろうか。自問したその答えはノーだ。だったら気にせず書けばいい。