ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

まだ走ってる(2)

 昔、東京の市民マラソンといえば「青梅」だった。

 今でもなくなったわけじゃないらしいんだけど、まあそっちを気にしている人は少ないだろう。東京とくれば、言うまでもなく東京マラソンだ。これへの参加というのも、ちょっとは考える。ただ、途方も無い競争倍率というのも知っているわけで、そうなると萎えてしまう。

 あるいは、それが東京マラソン集客の秘密なのかもしれない。

「こんなんどーせ当たるわきゃないって!」なんて思ってしまうから、気軽な気持ちで応募できる。もし当選率100%なら、応募=走るということで、なかなか勇気がいるんじゃないだろうか。でも、とんでもない競争率の前に、走ることへの現実感も薄いままエントリー。いざ当選通知が来てから、大慌てでトレーニングを始めるわけだ。

 皇居ならいちどだけ走ったことがある。学会の会議が土曜の夕方で、せっかくだから少し早い新幹線に乗って、走ってみたのだ。

 そこで驚いたのが、3つ。

 まずランナーの多さ。前後数メートル以内に必ず他のランナーがいるという状態で、名古屋の感覚では、これは数珠つなぎにも等しい。次に、ランナーたちのファッション。Tarzanに載ってるようなスタイルが、ここではただの現実だったのだ。そして3つ目が、ペースの速さだった。東京の人間ならではのせっかちさは、こんな局面にも現れてくるのだ。がんばってかなりのペースで走った。それでも、何度も何度も抜かされた。

 ともあれ、東京マラソンに、応募してみるのも手かもしれない。晩秋に開かれる神戸マラソンに比べればまだ余裕がある。それに、期日が近づくとまたマスコミが騒ぎ始めるから、出場に向けての機運も盛り上がる。

 ただ、どうやって「当てる」かという、とても大きな問題がそびえ立ってもいるのだけれど。