ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

堂々と説くゲームデザイン

 6月とくれば衣替え。制服があるわけじゃないから直接関係はないけど、専門学校でも、気分的にとても重要な一区切りであることには、違いはない。4月に始まった授業もここで折り返し、夏休みに向かって進んでいくことになる。

 今フルタイムの教員として、週あたり10コマの授業を担当している。今年はそのうち6コマがゲームデザイン。1年生と2年生で3教室ずつだ。大学みたいな大教室がないから、同じ内容の授業をするために細かく教室を回ることになる。

 他の科目も担当しているけど、これは格別だ。だいたい、授業科目として、活きがいい。何かというと資格試験の類に走りがちな専門学校の授業にあって、申し訳ないほどに新鮮なのだ。ただそれより重要なのが、自身の追求してきたテーマとのフィックスだ。

 ゲームデザインとは何か。

 具体的には、どんなことをするのか。

 いいゲームデザインと悪いゲームデザインは、どう違うのか。

 そんなあれこれは、ぼく自身にとって、業界に入るときから直面しつづけていた問題だ。一介の応募者だったときは「企画書って何をどう書けばいいんだろう」だったし、入社後は「何をすればいいんだろう」になった。そして採用の仕事に関わるようになってからは「どういう志望者を有望って見ればいいんだろう」にもなった。この問題は、会社を離れても、時代ごとにアップデートされながら続いている。元企画屋にとって(そしてたぶん現役にとっても)、ゲームデザインというテーマは確立されたものではないのだ。

 このブログ、あまりゲームを語らないできた。ただ、タイトルからいうと、本来はこういうことを書き連ねるためのものであってもおかしくない。前期を折り返した今、授業の内容は実習に移っていっている。総括の意味を込めて、このテーマで少し書いてみようと思う。