自転車でも走ってる(2)

　スポーツタイプの自転車に乗るようになったのは、じゅうぶん中年になってからで、そんなに早くない。まあ、それでももう10年は経っているんだけど。

　最初に乗ったのは、GTのマウンテンバイク。ジムニーに乗っていたことがあるし、キャンプとかもやるし、アウトドアはけっこう好き。で、その延長としてずっと前からマウンテンバイクが欲しかった。念願かなってようやく買えたのが、このGTだ。ただ、何度かの経験を経てオフロード走行に無理を感じ（マシンのせいじゃないよ、乗り手のせい）、オンロード派へ転向した。タイヤを細いのに変え、ヘルメットやパンツなど服装もちゃんとその方向に。やがて、家族が乗らなくなったジャイアントのクロスバイクを引き継いで、シートポストも高いものに交換、本気のロード生活を始めた。この自転車では、奥三河まで走ったこともあるし、夏の市民レース「シマノ鈴鹿」にも出走したことがある。

　今乗ってるのはトレック。もう、2年目になる。あいかわらずクロスバイクだ。

　オンロード派になってから、自転車雑誌も読むようになった。まだランス・アームストロングのツール・ド・フランス連覇の余波が残っていたころで、彼のチーム「ディスカバリーチャンネル」のジャージがとにかくかっこよくて、同時にトレックにも憧れるようになった。ランスが現役復帰＆二度目の引退をし、さらにドーピングが発覚して全ての名誉を失うに至っても、ぼくのトレック好きは終わらなくて、ようやく購入できたというわけだ。

　クロスバイクにしたのは、実はこだわりではなくて、お金がなかったから。そりゃマドンの方がいいけど、当時のラインナップでは安くても20万円台だった。ただ、ドロップよりバーハンドルの方が好きなので、たとえお金があっても、ロードを買ってクロスバイク仕様にすると思う。一見ふつうのクロスバイクで、よく見たら実はカーボンフレームのマドン…なんて、かっこいいよね。羊の皮をかぶった狼ってやつ？　でも自転車だから、踏力がないと狼になれない。