ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

待ち人来たれども(3)

 そんなわけで、ずいぶん待たされた割には、どうにも満足の行かない結果だった。

 まず、思ったほど入らなかったということ。棚板の少なさも含め、使い勝手がどうにも悪く、必要とする本をうまく収めることができなかった。

 まあ、棚板の問題は仕方ない。いずれ時間を見つけて、自作することにしよう。ただ、もう一つ問題が残る。他ならぬ、スライド式という構造自体が、よくなかったということだ。手持ちの本の背表紙を眺めるという、本棚の持つ最大の機能を活かしたいからこそ、本棚を欲していた。スライド式ではそれが中途半端にしか生かせないからだ。

 どうせ入りきらないのなら、いっそ作り付け感覚のオーダーメイドにすれば良かったとも思う。こういうところも、実はチェック対象にしていた。ただ、1層式では入りきらないことは明白だったので、早い段階で対象から外してしまっていたのだ。

 だが、だからといってスライド式にするというのは、選択肢として本末転倒だったとしか言い様がない。

 全てを収めたかったら、買い足すしかない。ただ、壁がもう空いていない。今回の本棚納品によって、壁の空き面はついに10センチ程度にまで減ってしまった。やり直したくないといえば嘘になるけど、買ってしまったものをなかったことにできるほどに安くはない。実際は2つで4万円近く払っているわけで、雑貨ではなく家具の方だ。

 ともあれ、「生涯最終書棚」というのは、もう少し先になりそうだ。