ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

デスクトップのあれこれ

 MacOSには、クリッピングという機能がある。デスクトップをクリップボード代わりに使ってコピー&ペーストができるというものだ。

 例えばWebを見ていて、引用したい文章があったとする。通常のコピー&ペーストだと、範囲選択をしてからCtrl+C…ってな感じだが、そうする代わりにそのままデスクトップの空いているところへドラッグ&ドロップしてやる。そうすると、独立したファイルとしてその内容が残る。ペーストしたいときは、これをテキストエディタなりワープロなりの画面にドラッグ&ドロップしてやればいい。

 これは、信じられないほど便利だ。クリップボードが、縦横奥行きの全てにおいて拡張されたものと言っていいからだ。通常はひとつしかないクリップノートが、アイコンとしてビジュアライズされた形で、何十個だろうが何百個だろうがデスクトップの許す限り使える、そういう状態だと言っていいのである。玄人的な文書作成では、執筆とレイアウトは異なるアプリを使った別プロセスとなる。miでテキストファイルとして書いたデータをデスクトップに向けて部分的にドラッグ&ドロップ、これをIllustrator上にドロップしてレイアウト…‥なんてことだって、簡単にできてしまう。

 ところが、これには問題がひとつあった。なぜかマイクロソフトがちっともまねをしようとしないのだ。なんでも真似するか張り合うかをしたがるWindowsが、この機能についてはちっともまねをしてくれない。自宅ではMacでも、職場ではPCを使わなければいけない。せっかくの機能でも、Windowsに採り入れられなかったら使うことはできない。

 そもそもアップルからして冷淡だ。ぼくの記憶では、MacOS8.5の時点で実装されていたように思うのだが、その登場時も含め、アップルのPRでこれが強調されていたのを見たことがない。やがてひっそりと仕様から外されてしまうのだろう。