ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

デスクトップのあれこれ(5)

 近頃つくづく実感させられるのは、クラウドの充実だ。

 昔から、複数のコンピュータ間でのデータのアップデートには、苦労させられていた。昔ならフロッピーディスク、比較的新しくはUSBフラッシュメモリ、こうした小さな外部記憶を持ち歩くことは一般的だけど、内蔵ハードディスクとの同期は自己責任でやらなければならない。このとき、新しいデータを古いデータで上書きしてしまうようなポカをついやらかしてしまう。ポータブルハードディスクが登場してきて「全てを丸ごと持ち歩く」ことが可能になった。とはいえ、これには紛失のリスクがついて回る。結局内蔵ハードディスクとの同期は不可欠で、“旧新データ上書き”のリスクも相変わらず。困ったことに、OSやアプリがそれを招きやすい仕組みになっている。

 これが、ついに改善された。クラウド環境を利用すれば、紛失リスクも上書きリスクも(絶無ではないけど)解消だ。今、ぼくのマシン上には、Dropboxがインストールされている。そして重要なのもこの一点だ。アプリケーションは何だっていい。Dropboxで保存されているデータを開けるものであれば。

 そもそもコンピューティングの中心に位置するのは、言うまでもなくデータだ。ワープロなりエディタなりは「データを作るため」に入れているのであり、脇役に過ぎない。なのに、長い間、自分自身が主役のようなふりをして、パソコンのいちばん目立つ場所に居座り続けていたわけだ。

 クラウドを使ったシステムには、Evernoteのように、一個のアプリケーションとして各マシン上で保有データを共有するというものもあるし、ネット上とローカル上にドライブを保有、可能な限り同期をとることで、同一性を確保するというものもある。前者であれば、より直接的に既存環境を置き換えてしまう。