ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

成分、補給してきたぜ!(3)

 今回乗ったバイクは、ホンダCBR600RR。「R」の文字はバイクでは昔からよく使われていて、「ロード」「レース」「レプリカ」なんてあたりを意味している。CBR600RRは、そのRが3つも付いているというやり過ぎ感満点のネーミングなのだが、実際ロードレーサーのレプリカといってもいい代物だ。80年代なら文句なしに「レーサーレプリカ」と呼んだだろう。現代バイク用語では、こういうのは「スーパースポーツ」と呼ぶことになっている。

 ところがひとつ、問題がある。パワーだ。たったの79馬力なのだ。

「79もありゃ十分でしょ、うちのヴィッツなんて69馬力だよ」

 なんて思うかもしれない。もちろんバイクという乗り物において79というのは大きな数字だ。だけど、大きい小さいは、比較あってのもの。このクラスのスーパースポーツでは、130馬力あたりがふつうなのである。RRだって、海外仕様はその数値を持っている。

 日本車だけではない。今では日本国内でふつうに買えるMVアグスタやトライアンフのこのクラスも同じ。そして、スズキやカワサキも、逆輸入した海外仕様を、正規代理店を通じて日本市場で販売している。そんな中、ホンダはわざわざデチューンしたものをこしらえて国内のライダーに押し付けているわけだ。しかも、並行輸入された海外仕様に対してはパーツを売らないなどの嫌がらせに熱心なのだそうで、本当に何考えてるのかわからない。

 だったら無視すればいいようなものだが、ひとつ大きな問題がある。

 かっこいいのである。

 ノーマル品はそれほどでもない(フロントの造形がいただけない)。しかし時々限定で出してくるグランプリマシンのレプリカカラー、レプソルとかコニカミノルタとかだが、これがたまらない。買うという前提で見ていると、どうにもうずうずしてくる(この気持を共有したい人は、「CBR ミノルタ」でGoogleの画像検索をしてみてください。ぼくの言ってることが、絶対わかると思う)。

 数字的に低くても、実際によく走るのなら問題ないだろう。この辺を、実際に乗って確かめてみたかった。わざわざ岡崎から出発したのも、それが岡崎のレンタル店にしかなかったからだ。