ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

成分、補給してきたぜ!(4)

 で、どうだったのか。一言で言えば「申し分ない」ってことになる。

 高速道路では、四輪の流れ(東名や新東名の場合、通常これは0.12〜0.14Mm程度を意味する)に余裕を持ってついていけたし、さらに高い領域でも安定して走れた。

 そして下の道では、満足の行く快適走行が楽しめた。街道の巡航も苦痛じゃない。上り坂でも瞬発力を活かした追い越しがかけられるからだ。さらにワインディング。奥三河の国道/県道レベルのワインディングを走る上では、ベストチョイスなんじゃないだろうか。3速のまま、アクセルワークの緩急で、メリハリをつけたライディングが可能だった。ポジションも取りやすい。少し尻をインにいれなきゃいけないときがあったけど(ハングオンなんてほどじゃないよ)、すっと自然に形が作れる。

 また、サウンドがいいね。回してないときは、教習車と変わらないふつうの4スト。物足りなさを感じるほどだ。でも1万回転ともなると、ちゃんとレーサーっぽい官能的な音になってくれる。

 ポジションは、わりと楽だった。ハンドルの位置がちょうどよくて、ふつうに乗るのも伏せるのも楽。足の曲がり角はキツいけど、これはしかたないね。でも、終わりの方では左足が攣って、しょうがなしにだらんと垂らして乗ったりした。ステップに乗っけてる分にはだいじょうぶなんだけど、信号待ちとかでいったん足を下ろすとだめだ。足の筋肉が、自分がくたびれてることを思い出してしまう。まあ4時間近くほとんど連続で乗るなんてバカな使い方しなければ、だいじょうぶだろう。

 ただ、以前乗ったYZF-R1(国内仕様)と比べると、一歩控えめな印象も拭えない。

 R1の加速は「絶対」だった。手首を軽くひねった瞬間、バイクは「ダッシュしている状態」に入っていた。そこへ行くとCBRのは、常識的範囲内だ。加速するのが、手首をひねった“次の瞬間”なのだ。ぐっとタメが入ってからエンジンが回り出し、ぐぐっとリアにトラクションがかかって、それから加速していく。とてもナチュラルだ。ただ、R1で感じたような不条理感こそが、常識&良識を超えてのめり込ませてくれるエナジーだったりするわけで、ココロを惹きつける点では今一歩にはなってしまうだろうね。

 もっとも、R1に乗った時よりも、今のほうが経験値が増しているってのはあるけどね。もういちどR1に乗れば白黒はっきりするんだが、置いていた店から消えてしまった。