ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

まもなくノーベル週(終)

 名古屋という中央から遠く離れた土地にいると、ここで話題になっている現象が、ローカルな話題なのか全日本的な話題なのか、悩むことがしばしばある。今回のノーベル物理学賞、共同受賞の3人中2人までが名古屋人という事情もあり、かなりの盛り上がりだ。

 これって、名古屋ローカル? なんて疑ってたんだけど、NHKニュース9でもはしゃぎまくってたから、全日本的な話題なんだろう。そして、昨日の記事でぼくが書いた懸念は、「中村氏を除いた二人だけを対象にべた褒め」っていう姑息な方法で切り抜けることにしたようだ。天野先生なんて、本人が日本にいないからと、娘や母親のところまでおしかけて「子供の頃からとっても努力家でした」なんて結論むりやり引っ張り出したりとか。ばからしくてスイッチを切ってしまったから、その先は見ていない。もしかしたら、中村氏も同じ流れでべた褒めしてたのかな。


 かつて大江健三郎氏が受賞したとき、出身地とか地元商店街の人とかまで大騒ぎする様子がテレビで流れていた(と記憶している)。その時興奮した面持ちでこんなこと言ってた人もいた。

  「これで大江文学が世界に知られることになりましたッ!」

 でも、それを視ながらぼくは思ったのだ。

  「あなた、去年の文学賞受賞者が、

   どこの国の誰なのか、知ってますか?」

 たぶんどこの国でも、同じなのだろう。甲子園だって、自分の地元が敗退した時点で終わりだ。今回名古屋人が盛り上がるのも、名古屋という土地のポジションからいって当然だろう。

  「これで東京・京都以外にも立派な大学があることが、

   世界に知らしめられたッ!」

 そう叫びたくなる気持ちは解る。でも、外国から見れば「外国人の受賞者」だ。例えば、今年の医学賞とった人の出身地なんて、知らないよね。大学名だって気にしてないよね。そもそもどこの誰がどんな理由で受賞したのか、それすらも怪しかったりしないかな。


 ノーベル賞はまだ続く。たぶんここで終わりだろう。でも、続けて日本人受賞者が出てしまうかもしれず、そうなるとまたまた書きたいことが伸びてしまう。シリーズはここで終わりにしておこう。

 それにしても、まだ受賞者決定前に公開したシリーズ1回めの記事で「受賞者でも出た日には馬鹿騒ぎ」なんて書いたけど、まさかこうなってしまうとはね。特に今年は中日がボロボロだったから「感動ありがとうセール」のネタにすらされかねない。いや、もしかしたら、八事あたりじゃ、もうやってるかもしれないぞ。