ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

これも「さらば」になっちゃう?(1)

 ノーベル賞記事で踊っている紙面の片隅に、「マクドナルドがついに赤字転落」なんてのがあった。

 言われてみれば、確かにもう長いことお客として使っていない。かつては仕事帰りに立ち寄ったり、街に出た時に入ったりしたものだが。

 マクドナルドを敬遠するようになった理由は何か。一言で言えば「スラム感」。店に漂う雰囲気があまりにやさぐれていて、どうにも不快だからだ。

 まず店内が小汚い。内装が安っぽい上に、薄暗いのだ。テーブルの上や付近の床には、食べ物のカスとかこぼした飲み物とかが散らばっている。プラスチック製の硬い椅子に座りながらそんな光景を見ていると、うんざりしてくる。

 ゴミ箱の上にはぞうきんが置かれている。これは「気になるんなら、あんた自分で拭きなよ」っていう無言のメッセージなんだけど、そもそもそのゴミ箱自体がまた汚くて嫌になる。マクドナルドでは、ゴミの仕分けまでお客にさせる。それが当然であり、マクドナルドで食事をする者の義務であるとでも言うかのように。だけど、一方的に宣言された約束事、誰もが守るわけじゃない。スラムな風景に似合う客は、そんなことお構いなしだ。

 以上のような理由だけでもげんなりくるんだけど、スラムというのは住人あってこそで、中に入っている客がまたヤサグレ感満点なのだ。混み合っていて騒々しいことが多いし、一人あたりのスペースはとても狭い。そして、高校生など集団の客が、荷物なり足なり投げ出して、店の一角を占拠していたりする。

 今ぼくが足を運ぶのは、『スターバックス』だったり『タリーズ』だったりといった、いわゆるカフェだ。ここには、少なくともスラムっぽさはない。マクドナルド型のハンバーガー屋自体が、自分的にはもう過去のものになってきてしまっている。