無料ほど高価いものはない(2)
便利なエバーノートだけど、大きな問題がある。
とりあえず言えるのは、UIだ。
手になじまない、というのだろうか。長く使っているのに、いまだにしっくり来ないのだ。アプリケーションをいちいちマニュアル読んでから使うやつなんていず、たいていはいじり回しながら覚えていく。このとき、洗練されたシステムだと、予想と結果がだいたい一致して、早い段階ですらすらと使えるようになる。また「一を聞いて十を知る」なんていうけど、一を理解すれば、あとは類推で十に広げることができたりもする。だけど、エバーノートで起きているのは、その逆だ。デザイナーは、ユーザー像を想定してUIをデザインするのだけど、どうもぼくはここから大きく外れてしまっているようなのだ。特に、ペインの位置関係が固定されていて、横にしか並べられない点は困る。彼が全く想定していないポートレート(縦長)ディスプレイでの使用を、ぼくはしているのだから。
他、ルック&フィールがどうしても好みに合わないとか、UIを予告もなしに一変してしまう点とか、iPad版がPC版やWeb版と全く違っている点とか、問題は多数ある。
でも、より問題なのは、「そうであっても使うしかない」ということだ。エバーノートと同じように使える一般ユーザー向けアプリは存在しない。だからエバーノートのようなことをしたかったら、エバーノートを使い続けるしかない。