『響』はもっとうまいよ(1)
先日相次いで報道されたことだけど、英国のウィスキーガイド本で、サントリーの『山崎』がナンバーワンに選ばれた。
物書きはものごとをハスに構えて考えるのが仕事だし、ソフト屋は世界を数理的に理解するのが仕事だ。ぼくは両要素を兼ね備えている企画のゲーム屋なのだけど、今回のニュースは素直に嬉しい。
ウィスキーの本には、こんなことが書いてある。
「スコッチ、アイリッシュ、バーボン、カナディアン、
そしてジャパニーズ。
これが世界5大ウィスキーと呼ばれている」
正直言うと、半信半疑だったのだ。ご近所に、何でも「我が国がいちばん、我が国がルーツ!」なんて叫びたがる国があるけど、それを見てこみ上げてくる苦笑と同じものを感じてしまっていた。
でも、違っていたんだね。カテゴリーとして「世界5大」なんて称賛は誇張だろうけど(トリスやレッドだってジャパニーズだよ)、日本製もまた世界に認められているということで、決して夜郎自大ってわけじゃなかった。
実際、自分自身の舌としても「サントリー最高!」を感じていた。
ぼくのいちばんのお気に入りは『響』。これを飲んで、自分にとってのウィスキーの標準ラインがうんと上がってしまったのだ。その後、あれこれとスコッチを買ってみる。でも、『オールドパー』でも『シーバスリーガル』でも、毎回の印象は同じだ。
「うまい。でも、『響』ほどじゃないね」
『響』が最高であることを確認するために、それ以外のウィスキーを買っている状態だ。
今回ナンバーワンに輝いたのは『山崎』の方。ただ、ぼくがふだん口にしているのは「山崎」の中でも大衆モデルになるふつうの10年物だ(たまに背伸びして12年物を買うときもある)。シェリーカスクなんてとても手が出ず、飲み比べたわけじゃない。