ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

あいかわらず走ってる(5)

 群ということだと、ちょっと切ない経験をしたことがある。

 2年ぐらい前のこと、走り場を求めていたぼくは、名古屋近郊にある「愛・地球博記念公園」に向けて車を走らせた。あれだけの広い公園だから、さぞかしいいランニングコースがあるだろうと思ったのだ。

 だけど、その期待は、無残に打ち砕かれた。走ってる人が皆無だったのだ。人そのものはいっぱいいる。芝生広場でシート引いてお弁当食べてたり、フリスビーやボールで遊んでたりだ。なのに、ランニングは誰一人していなかった。コースは多彩に設定でき、またトレランのまね事なんかもできる。ただ、そこに走っている人がいなかったのだ。

 フィールドはあり、しかしがら空き……もしこれがスキー場なら、大喜びだろうね。コースからダイレクトにリフト乗り場に滑り込んで、頂上ではリフト降り場からそのままノンストップでコースに滑り出て、とか。でも、そこがスキー/スノボをしない雪上ピクニック客に埋め尽くされていたら? しかも、こちらはアルペンの選手のような全身タイツ型ぴっちりウェアなのに、彼らは街中と同じような服装していたとしたら?

 走るだけの目的で来たぼくとしては、だからと行ってそのまま帰るわけにもいかなくて、とぼとぼと走った。正直どうにも浮き立ってしまって、かなり居心地が悪かった。

 だけど、最近買ったランニングガイドでは、この公園が人気のコースとして紹介されている。ほんとかな。真に受けて出かけて行き、ぼくと同じような経験をしてる、そんな人がいっぱいいるんじゃないだろうか。でもいっぱいいたら、それはそれでOKなわけだね。