ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

BCR、ウィーラブユー!(2)

 ベイシティ・ローラーズの代表曲といえば、先述のとおり『サタデーナイト』。歌自体が今でもCMソングなんかで現役だ。あのおかげでサタデーの綴りを間違えずに済むのは、今の中学生だって同じだろう。そしてぼくはとえいば、あのへんの歌が新譜だった頃に中学生だったのだ。

 きっかけは、クラスの女の子たちが騒いでいたことだった。それまでロックなんて音楽の存在をよく知らなくて、「何言ってるんだろ」なんて思ったものだ。でも、話題になっていると気になるもの。FMの番組表をチェックし、聴いてみた。

 たちまち、とりこになってしまった。

 とりあえずレコード屋に行き、シングル盤を買ってみる。“イエスタデイズ・ヒーロー”と“ロックンローラー”がA/B面に収まってるやつだ。ステレオでかけながら、乗りまくった。一緒になってコーラス部分歌ったりとか(全部歌うには英語力が低かったのだよ)、持ってたアコギでベースのまね事したりとかね。

 ところで、あの頃のことを思い出すと、自分にイライラしてくるね。もう少しうまく立ち振る舞えなかったのかなって。とにかく不器用だった。仲良くなりたいのに、憎まれ口しかたたけない。親友にだってなれたはずなのに、相手が女子だからってだけの理由で、自分で壁を作ってた。

 まあ、そんな話をしてても切ない。

 ぼくにとって、ベイシティ・ローラーズの時代はすぐに終わってしまった。それはロックへの入口だったけど、入ってみるとその中に広がっていた広大な空間の方が、だんぜん魅力的だったのだ。実際、ベイシティ・ローラーズのレコードは、シングル2枚しか持っていない。アルバムで買ったのは、キッス、エアロスミス、エンジェル、そしてクイーン。レンタルのなかった時代、何度も何度も繰り返し聴いていた。エンジェルは彼ら自身が2枚ぐらいで消えてしまったけど、他は今でも現役だ。そしてクイーンは、ぼくにとって生涯の付き合いになりそうだ。団塊おやじにとってのビートルズとおんなじように。