BCR、ウィーラブユー!(4)
書いてから、時制がちょっと混乱してることに気づいた。レイジーの登場はベイシティ・ローラーズに重なるけど、ファイヤーやスロッグはその後だね。レイジーの成功を前に、実際にバンドやってる連中を事務所が掘り出してデビューさせたとか、そんな感じがする。この系譜は、きっとチェッカーズに繋がっていくんだろう。
並べて書いたけど、スロッグはストレートに後継ってわけじゃない。暗い雰囲気で売っていたから。あんまり覚えてないんだけど、革ジャンで鎖ぶら下げてたような気がするし、代表作が(ってかそれしか知らないんだけど)『愛は血の涙』。タイトルからして、厨二がかったゴシック志向がにじみ出てくる。ジュリーよりはショーケン、ビートルズよりはローリング・ストーンズ、みたいな。不良。でも、あくまでもファッションとしての。キャロルやクールズみたいなモノホン連中とはわけが違うぜ、ってなもので。
ともあれ、確立したコンセプトは、その宿主が消え去っても誰かの上で続いていく。本国でも、そのへんは同じだ。
ベイシティ・ローラーズの後、「バスター」っていうバンドが出てきてた。チョコフレークのCMにも出てたから、お茶の間にもおなじみだ。そして、チョコフレークが似合うような、健康的な美少年たちだ。この系譜の先に、きっと「ワム!」がいるんだろうね。
一方で、不健康な美少年を並べる路線も、ちゃんとある。デヴィッド・シルヴィアン率いる「ジャパン」。別に日系人がやってるわけじゃなく、超絶美形な白人青年のバンドだ。そしてあまりに顔が良すぎたために、音楽性がどんどん深化していったのに誰もそれを認めてくれないという、レイジー以上の悲劇の主人公だった。こんな名前なのに「和製」がちゃんと用意されていたのが笑える。本田なんたら氏(4文字だったけど忘れた)、『ストップひばりくん』に出てくるキャラ「本田拓人」の原型だね。