ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

BCR、ウィーラブユー!(5)

 ホウキ持ってエアギターっていう構図は、『20世紀少年』のケンヂ君と同じだ。でも、大きく違う点がある。ぼくたちは、純粋に楽しみだけでやってたってことだ。ケンヂ君の場合は、学校当局ひいては社会全体に対する反抗という要素がある。

 このことは、ほんの僅かの年齢差で、くっきり世代的価値観が別れてしまうことの現れとも言える。ケンヂ君たちは、小学生どまんなかで万博を迎えた。ベトナム戦争もビアフラ戦争も、意味ぐらいは解る年代だ。でも、幼児として大阪万博を迎えたぼくたちの世代は、社会を批判すべきものとして見ていない。そして、ヒッピーがアコギひきながらがなりたてるメッセージソングは、お子様の耳にはコミックソングにしか聞こえない。

 ロックを受け入れ夢中になるのは、いつの時代も中学生ぐらいなんだろう。ただ、一つ言えることがある。ぼくたちは、上の世代のように、それを反抗の象徴だなんては思っていなかったってことだ。単純に楽しむことができたし、そのほうが大きな可能性を持っていたということなのだ。

 歌謡曲の側も、どんどんロックに近づいてくる。シブがき隊はマイクスタンド使ってギターソロのまねごとやってたし、たのきんトリオのよっちゃんは、あきらかにロック志向だった(現在では、完全にロックギタリスト。体格もいいね。あの体つきは、ヘビメタじゃなくてハードロック!)。今の現役で言うとTOKIO。これって、レイジーの対偶だね。アイドルなのに最初からロックバンドのスタイルで音楽をやってるわけだから。その少し前に男闘呼組ってのがあったけど、もうよく覚えてない。

 今の中学生は、ホウキ持って長瀬くんの真似をするんだろうか。