ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

どっちをとってもアウト

 残業した後の帰宅時間、地下鉄の中で爆睡している女の子がいた。制服を着た中学生で、背格好からみてたぶん1年生なのだろう。

 問題は、この爆睡の姿だ。大の字……いや、両腕は真下に垂れていたから、人の字かな、そういう無防備な状態で、通勤電車のロングシートにだらりともたれかかっていたのだ。両足は大きく拡げられ(名古屋の中学生のスカートは長いので、目のやり場に困るなんてことはない)、頭は首の座らない赤ちゃんみたいに天井を向いている。

 子供の寝顔というのは無邪気でかわいいものだ。一方、若い女がだらしないのは最低だ。中学生女子というのは、どちらととるべきなんだろうか。ただ現実問題として、天井に向かって大口開けて寝るってのは、男だろうが女だろうが、また老若を問わず、よくない。赤ちゃん、およびそれに戻りつつある人は、しょうがないにしても。

 すぐ隣に、母親らしい女性がいる。全く、ちゃんと躾けてやるべきだよ……なんて憤慨してたら、途中駅で降りてしまった。たまたま隣に座っていただけの赤の他人だったようだ。そうこうしていくうちに乗客はじわじわと減っていき、電車は終点に近づいていく。それでも、女の子の爆睡は終わらない。結局、終点まで付いてしまった。

 実は、途中から思っていたのだ。誰か、起こしてあげないものかと。でも、結局誰もが素通りしていく。それは、終着駅でも変わらなかった。

 ぼく自身? できるわけないよね。子供と捉えようが、若い女と捉えようが、それぞれの意味においてアウトなのだから。