ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

ソトメシ十番勝負(5)

 食事をエンターテインメントとしてとらえた場合、大きな問題点を共通で抱えている。おなかがいっぱいになったら終わり、ということだ。

 この意味で、チーズナンは弱い。売られている単位が、大きいからだ。また、それ単品では頼みにくいということもある。インド料理店では、チーズナンもナンと同等、すなわち主食扱いだ。それだけしか頼まないというのは、定食屋で白飯だけ頼むような感じで、なんだか居心地が悪いわけだ。その結果、チーズナンだけを求めて入った店でも、出るときにはもう満腹になってしまっている。

 以前、大須の東側、仁王門通りを入った裏通りに小さなスタンド式のインド料理店があって、そこのチーズナンがこの意味でとても良かった。少量なのだ。また、スタンド式だから、気軽な頼み方ができる。これを食べてから万松寺通りを歩ききり、コメ兵近くのケバブ屋でケバブを食べてから観音様へお参り…というのが、その店があった当時の、定番ルートだった。

 考えてみると、これが門前町的なソトメシのあり方なんだろう。毎日が縁日、ってなもんで。しかも、どっちも外国もの、チーズナンから始まってケバブで終わる。これこそ、現代日本なのだね。