ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

デザインはスポーツか?(2)

 デザインとゲームデザインの関係、ということを時々考える。

 ゲームデザインというのは別名「企画職」で―より厳密には企画職の仕事に含まれる役割―で、そのことと美術的造形とは、直接は縁が無い。「design」という言葉を英和辞書でひくと、「1」で出てくる語義は「設計」となる。ゲームデザインのデザインはこっちだ。

 でも、現実問題として、ゲームデザイナーには表現力が必要だ。自分で直接作ってしまうのならともかく、アーティストなりプログラマなりに仕事して貰ってゲーム作るのなら、彼らにアピールするだけのドキュメントを作れないといけない。美しくない企画書が、果たして彼らのハートをつかめるんだろうか。あるいは、読みやすくない企画書が、彼らに正確な仕事を伝達できるんだろうか。

 ぼく自身は、「どっちも」だ。ゲームデザインを仕事としてやったのはゲーム会社に入ってからだけど、紙相手のグラフィックデザインは、その前からやってる。そして、ゲーム会社に送った応募作品としての企画書は、当時持っていた技術を駆使して美しく仕上げた。採用して貰えたのは、内容の良さなのか、見栄えの良さなのか。その辺は、解らない。

 そろそろ来年度に向けて、特に課外でやってる方の活動の内容を決めていかないといけない。デザインを教える? せめて自分程度のことができるように……でも、ちゃんと受け止めてくれるかな。ことこの側面では、どうにか自分ができるというだけだ。自ら学びたい者へのアドバイスならできるけど、そうでない―そんなもの不要と思ってる―者に、教えきる自信はない。