ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

ぼくが弁理士をめざす理由(1)

 弁理士試験合格を目指している。去年(2014年)が初挑戦で、今年が2度めだ。

 多くの人にとっては、この試験が何なのかあたりから、解説が必要だろう。弁理士というのは、知財知的財産権)に関する専門職。特許庁への出願を代行したり、取得した権利の管理をしたりするのが仕事だ。そして弁理士になるためには、原則として試験に受からないといけない。産業財産権4法(特許法、実用新案法、意匠法、商標法)と著作権法不正競争防止法および条約を試験科目に、マークシートで回答する「短答式」、出題に対してその場で論文を書く「論文式」、そして試験官3名が口頭で出してくる問題に答えていく「口述式」の、三段階で構成されている。この大掛かりな試験システムからもわかるように、難易度はかなり高い。

 まえもって言っておくと、転職とかのつもりはない。とはいえ、自分を飾るアクセサリーとして資格を持っておきたいってことでもないし、爺さんになってしまう前の記念受験ってわけでもない。では、なんのために受けるのか。

 ぼくはゲーム屋だ。クリエイターとしては現役を離れて久しいけど、今でも教師としてリアルに関わっている。そしてゲームを通じて、隣接するサブカルチャーとも近い位置にある。具体的には、マンガやアニメやラノベなどだ。最近は同人の分野との関わりも強くなってきた。

 このカテゴリーの人間からも、知財の専門家が必要だと思うのだ。

 多くの関係者が恐れているとおり、今、著作権というのはそうとうヤバい状態になっている。このヤバさが破滅的なものにならないためには、人が必要だ。ぼくが弁理士という資格を通じてなりたいものが、それだ。