ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

直球勝負、ゲームデザイン!(4)

 デザインという言葉はバズワードで、好きな内容を盛り込める単語になってしまっている。一般的傾向としては「実作業に先立って行う、手よりも頭をつかう仕事」ってことが言えるだろう。

 今はどうか知らないけど、「絵もプログラムもできないから(しなくていいから)」的に選んでくる志望者が、昔は少なくなかった。そして、仕事の内容へのイメージときたら、こんな感じで妄想してる。

   ぼくはゲームデザイナー。

   手を動かす仕事は現場に任せ、

   自分自身の感性でゲームのアイデアを考えるのが役割だ。

   通りを見下ろすゆったりとした専用のオフィスで、

   ぼくはひとり閃きの瞬間が訪れるのを待つ。

   そしてその時が来たら、ペラ1枚にまとめ、現場に渡すんだ。

   彼らはぼくのイメージを忠実に再現し、ゲームにする。

   ぼくはそれを適宜チェックし、修正していくだけだ。

   もちろん研究もしなくちゃならないから、

   気が向いたら他人の作ったゲームもプレイするけどね。

   そして、できあがったゲームはぼくの作品さ。

   まあ、いわば画家と絵筆の関係かな。

 最近は世の中が冷めてきたから、そんなやつがこの世にいないことぐらい、子供にでも解るようになってきてしまった。まあ、つまんない時代ではあるね。

 では、ゲームデザイナーは、どんな仕事をするのか。

 直接的には、新しいゲームソフトを構想し、現実化することだ。英語の“design”を辞書で引いた場合、出てくる意味の1番は「設計」になる。ゲームの本質である「ルール化された遊び」は当然ながら無形なもの。造形する必要はないけど、設計はしないといけない。もちろんそれはプログラムの設計とは違う仕事で。対象となるのは「遊び」とか「楽しい」とかだ。

 実際の仕事について、ぼくは「提案者」と「管理者」という、2つのモデルで考えることを提唱している。