ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

一日にしてならぬもの(3)

 『ローマ人の物語』は、全15巻となっている。先述の通り残り2巻というところまできたわけだけど、実は買った本はもっと多い。都合3冊ほど、間違えて被って買ってしまっているからだ。数という視点では、既にコンプリートを超えていることになる。

 本棚の重石としてだけなら、こういうのも数に入れてもいいわけだ。だけど、それが心理的に許されないところが、このオブジェクトの独自性だろう。やっぱりずらりと並べるためには、同じ本が連続したのではいけない。実際、3冊の“余ったローマ人”は、ベッドサイドで電気スタンドを載せる台として活躍している。

 他、シリーズものとしては、池澤夏樹さんの『世界文学全集』なんてのもある。これも文芸力を上げようとの取り組みの中、買い始めたものだ。最初がトマス・ピンチョン『ヴァインランド』。これを読みきってから次に挑んだのがバルガス・リョサ『楽園への道』で、ここで力尽きてしまった。本格的の文学者が本気で書いた文芸作品というのは、読者としても本気が要求されてしまうのだ。本自体はもう一冊、グラス『ブリキの太鼓』があるけど、まだ開いてすらいない。全部で全30巻とのことだけど、ぼく的には都合3冊で終わってしまった。