ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

買えないッ!(1)

 あてにしていた商品が、不意に市場からなくなってしまうと、かなり戸惑う。

 去年の今の時期、ランニングを本格化したぼくは、それ用の日記を買いに店に行った。残念ながら専用品はなかったものの、6月始まりのダイアリーが十分な数並んでいて、じっくり吟味して用途に最適なものを選ぶことができた。

 週単位の見開きで、7日分の日付が縦に並んでいるタイプだ。全体が方眼用紙になっている。ぼくはこれを自分なりのスタイルで活用した。日付すぐ横の見出しスペースに、距離とペースと時間。その横のタイムテーブル部分にコース。右側ページにはコメント。そして包含を利用して、「1マス1キロ」で週あたりの走った距離を書き込んでいった。最初はぎこちない様式だったものの、1年間続けたことで、ぼくにとって確固したスタイルになり、これ以外の書き方は考えられなくなった。

 ところが今、同じものが買えなくなってしまっている。

 6月始まりダイアリー自体なくなってはいないものの、売り場は半分以下の縮小だ。そして、ろくなものがない。一見数が多い用に見えてもただの色違い、肝心の内容でのバリエーションが乏しい。去年と同じものはなく、求めているようなスタイルのものすらない。

 結局、4月始まりの日記の中から、「ほぼ日手帳WEEKS」を購入した。5年ぶりぐらいの“ほぼ日手帳”ってことだろうか。糸井さんはぼくが最高にリスペクトしているクリエイターだし、手帳自体も嫌いじゃないから、悪くはない。だけどもう6月なのだ。これを使ってしまったら、4・5月という期間ーほんとは3月始まりだからもう1月ー、まるで何もしていなかったかのようになってしまうではないか。