ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

雑誌が消える!(終)

 今回は、一週間にわたって断続的に書いてきたのだけど、そろそろ終わりにしよう。

 週刊アスキーは、公式には「電子媒体への移行」ということになっている。この種の言葉は、まあ「廃刊」を「休刊」と言い換えてたのと同じような婉曲表現として使われがちなのだけど、紙版の最終号に載ったステートメントを見る限り、かなり意欲的だ。今後を期待したい……といいたいところだが、既に影も見えてきてしまっている。

 雑誌の電子版の読み放題サービスが始まっている。例えばNTTドコモの「dマガジン」。これは月400円のサービスだ。週刊アスキーがいくらだったか憶えてないけど、4冊買って400円以内で収まっていたはずもないから、参加したのでは大損ということになる。でも、参加しないと、バスに乗り遅れてしまうリスクがやってくる。

 雑誌どれだけ読んでも400円、というのは明らかに安すぎる。とはいえ、このぐらいの料金にしておかないとユーザーがつかないというのも、デジタル時代の悲しい現実なのだ。ネットワーカーの大半は「ネットじゃタダが当たり前」なんて思っているわけで、そういう人相手に商売をする以上、ワンコインの手前で踏みとどまる必要があり、結果ここしかないのだから。野心的なデジタル版は、さっそく価格という壁にぶつかることになる。

 ……なんて現状を憂いながらも、実はぼく自身既にdマガジンを始めてしまった。まあ、食ってみないことには毒なのか皿なのかもわからないわけだしね。