ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

眠るように?(終)

 そうこうしてるうちに出勤時間になった。

 骨とか歯とか折ったっていうんならともかく、外傷の一つもない状態では休みをとるわけにもいかない。外科的な頭の痛さは簡単には引かなくて、そのままとぼとぼと歩き、出勤した。

 今日は、1時限目から授業があった。学生たちに向けての前口上は、今回の事実だ。そして、こんな言葉も忘れなかった。

 「そんなわけだから、もしオレがろれつが回らなくなったり

  意味の通らないことしゃべりはじめたりするとか、

  あるいは目見開いたままでイビキかいて眠ったりとか、

  そうなったら容赦なく脳外科病院にかつぎ込んでくれよ!」

 とりあえずウケたわけだけど、洒落じゃすまない事態にならなかったのは、まずはよかった。現実になってたら、学生たちに一生忘れられない思い出を提供するところだ。

 ともあれ、自宅玄関からの墜落という、老人力あふれる事件。遭遇してから、もう十数時間が過ぎた。特に内科的な頭痛も来ていないし、食欲もある。この文章を書いているのはスターバックスなんだけど、夕飯が控えてるっていうのに、ついワッフルも頼んで平らげてしまった。医療機関のウェブ見ると「2・3日は無茶するな」なんて書いてあるから、ランニングとかは当面休みだ。映画やゲームもやめたほうがいいかもしれない。なので気は抜けないんだけど、恐怖感自体は薄らいでいる。

 まあ、今回でこういうのは最後にしたいものだ、なんて思うけど、終の住処として買った家なんで、本物の老人になるまで住むわけで、きっとまたやってしまうんだろうね。ただ、本物老人としてそれをやったんじゃ、骨なり歯なりも無事じゃいられないだろう。

 もっとも、その懸念も、それまで生きてられればの話なんだね。