ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

登った、見た、下りた(2)

 富士登山で、悩ましいのが行程だ。

 昔と違って、今では一泊するのが常識……いや、良識かな、そういうことになっている。まあ平地での徹夜すらきつくなってる身だから泊まることには異論はないんだけど、登山行程のどこに持ってくるのかが悩みの種だ。あまりに麓すぎると、初日の行程が少なくなりすぎる。やはり体力的余裕のあるうちに高いところまで上るべきか。でも、そういう無理すると高山病のリスクが上がるし、自宅を出発する時間も問題だ。今、山小屋はどこも予約制だから、早い段階で決めないといけない。

 ただ、今回の場合、実際にはそんなに悩まなかった。というのも、登山ルートがその辺を制限していたから。今回選んだルートは、富士宮口から始め、宝永火口を回って御殿場ルートに至るもの。いわゆる「プリンスルート」ってやつだ。基本は御殿場ルートなのだけど、こっちは何しろ山小屋が少ない。7合5勺と8合目に計3軒あるだけだから、自動的にその辺りってことに決まってしまうのだ。

 今回選んだのは、7合5勺にある方の小屋。ちなみに皇太子さんが止まったのはもう一つ上の『赤岩八合館』なので、プリンスルートを極めるならこっちってことになるだろう。