ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

登った、見た、下りた(3)

 駐車場に降り立ったとき、空は「雨ではないね」ぐらいだった。高度的にはたぶん2合目程度の場所で、既に気候は高原っぽい。でも、山はまだまだ上のほうだから、天候が違っていることへの期待はつながってる。そんな一縷の望みを持ちながらシャトルバスに乗ったのだけど、新五合目までの風景もそんなに違ってるわけじゃなかった。ただ、つづら折りのところどころから見える斜面は、たしかに山を登ってるって感じがしてくる。40分ぐらい揺られ、5合目に着いた。

 登山道に入ったのは、午後2時頃だっただろうか。とぼとぼ歩くとすぐに6合目になる。ここの山小屋の角を曲がると富士宮口、直進すると宝永山だ。松が門みたいになっているところを抜け、見通しの効くところまで出てみる。他の登山者は、うーんと前に一組いるだけっていう状態で、数珠つなぎがあたりまえの富士山にあって、うそのようだ。

 ここに限らず、あまり迷いそうなところはない。ただ、そこから20分ぐらい歩いて稜線に出たところは別で、かなり惑わせてくれる仕様になっていた。方向板3枚が柱に打ち付けてあるのだが、そこは尾根沿いを登ってくる道と、横にトラバースする道とが交差している場所。つまり、道は4本あるのだ。そしてこの「至る宝永山」板が、どうみても尾根沿いを指している。

 持っていた地図(国土地理院のWebからプリントアウトしたやつ)を見る限り、三叉路だ。また、宝永山行きの登山道は緩い下りとして書かれているから、尾根沿いを登ってくなんてことはないだろうと、向いている看板がない方向(正解!)へ進んだ。

 たぶん尾根沿いの登りは道ではなく、たまたま石も草木もないところがそう見えただけなんだろう。ともあれ、地図というのは必要なものだね。持ってなかったら騙されてたかもしれない。