ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

登った、見た、下りた(7)

 夜間にはすっきり地上まで見えていたけど、御来光タイムにはすっかり雲海になっていた。下から見たら、曇り空なんだろう。でも、その雲の上に、朝日は出てくる。ちょっと意地悪な雲が直前にかかってきたりしてイライラしたんだけど、無事見ることができた。振り返ると、頂上の方までくっきりと見える。朝日を浴びて赤く輝く、モルゲンロートってやつだ。

 小屋を出発したのが、朝の6時頃。ところが、出発を待っていたかのように環境が変わった。南側からガスが押し寄せてきて、夜明けまでは鮮やかに見えていた頂上付近が、すうっと隠されてしまったのだ。

 後は、霧の中の登山になった。出発時点、防寒用にレインウェアを着ていたのだけど、そのまま脱ぐこともなかった。登るにつれ、霧のつぶが大きくなり、風が吹くと顔に当たるようになる。そのまま登り続け、だんだん岩場になり、それがきつくなってきた。2時間ぐらい登っただろうか。不意に鳥居が見え、登山道が終わった。

 鳥居の横には閉まっている山小屋がある。「銀名水」なんて書いてある、地下室みたいなのもある。その奥は柵があって進めない。ってことは、この向うに山頂火口があるんだろう。左右には道があり、これがお鉢巡りのルートなんだろう。で、時計回りに進むと、ほんの少しで富士宮口の十合目になった。そして風表になったことで、はっと気がついた。そう、さっきから大粒になってた霧だけど、これって雨だよな、と。

 そして、参拝したり土産物かったりトイレ行ったりと、やっとくべきことをひと通り済ませ、下山路についた。本当はここでお鉢巡りをしたかったんだけど、何も見えない雨天の中歩いたってしょうがないしね。選んだルートは富士宮口。コンディションの悪化を念頭に、逃げ込み場所の多そうなこっちを選択したのだ。