ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

登った、見た、下りた(8)

 まあそんなわけで、登ってくることは達成したわけだ。そして長年の念願だった、宝永火口も満喫することができたし。でも、頂上からの風景は、またしてもおあずけだ。

 さて、この残った宿題、どうしてくれようか。「登らないバカ、二度登るバカ」なんて言葉があるけど、よく言ったもんだねなんて感心してしまう。

 同じプリンスルートなら、もう一度行ってもいいかななんて思わないでもない。今回の行程で最大の失敗は、帰りに富士宮ルートを選んでしまったこと。混んでいて下山道もないからすれ違うのがたいへんだし、ずっと岩場ばっかりだし。ただ「夏休み最後の週末の前の日」という行程だったからかもしれない。

 再訪についてネガティブなもうひとつの要素。それは登山客としての扱われ方にある。歓迎されてない感が、半端無いのだ。休憩でとかで立ち寄った山小屋でも、ウェルカムな感じは全然受けなかった。泊まった小屋は、別に冷遇ってわけじゃないけど、そもそも誰がスタッフで誰が客なのかがわからなくて、使いづらかった。下山ルートとか、あれこれ相談しようと思っていたけど、諦めるしかなかったのだ。そして出発直前のことだ。近くに立ててあった板が突風でドミノのように倒れた。するとそれまでほとんどぼくらを黙殺していたスタッフが、その時だけはすーっと近づいてきて、睨みつけながらこういったのだ……「今倒しましたよね」と。

 でも、印象を悪くしているのは、むしろ山麓の方にある。

 駐車場で千円。シャトルバスは別料金で千何百円か。さらに入山料まで一人千円を、事実上強制でとられてしまう。そうしてとったカネの使い道は、どう見ても人件費だ。徴収係の給料を支払うために使われているとしか思えない。ともかく、登山客というのは「招かれざる余所者」で、そんな手合いからはどんどん金取ってやれって感じがぷんぷんしてくるのだ。