ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

昔は泣き喚いたものだけどね(5)

 テキストファイルというのは、永遠だ。

 長くPCを使っていて、今でも最初の頃に作ったファイルがハードディスクに残っていたりする。いちばん古いのは、80年代製になる。

 当時のパソコン界では、ワープロソフト『一太郎』が一世を風靡していた。ぼくが本格的に16ビット機を使い出したのは、ちょうど『一太郎』のバージョンが3から4になった頃。ぼくも使ったことがあるし、実際にメインで愛用したのは、そのライバルソフトである『松』だ。それ以外にも、『ロータス123』(表計算)、『アイリス』(データベース)、『Zs Staff Kid』や『MPS』(ペイント)と、いろいろなアプリを使っていた。

 だけど、それらのファイルは、もう開くことはできない。ディスク上に残っていても、開く手段がないのだ。アプリメーカーは、自社製品への囲い込みのために、独自形式のバイナリーファイルでデータ保存を行っていた。でも、ほとんどの会社は、Windows時代についていけず、消えていったのだ。ぼくらユーザーの、データの鍵を握りこんだままで。

 でも、テキストファイルは別だ。80年代のファイルも、今のファイルも、全く変わりがない。GREP検索をかけると、そうした古いファイルまで、昨日作ったファイルと同じようにデスクトップ上に現れる。だから、ある意味パソコン自体が糠床みたいなものだったともいえる。あんまり混ぜあわせてなかったけどね。