ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

ゲームほど素敵な仕事はないッ!(5)

 話を戻そう。ゲームデザイナーの仕事を、提案者と管理者という2つのモードで考える。これが、ぼくのやり方だ。そしてこのように理解することで、志望者が身に付けるべきスキルも、明確に定めていくことができる。

 提案者は、何よりも話せなければならない。現在のプレゼンではスライドが重視されるわけだけど、同時にドキュメントも不要になっているわけじゃない。そういうものを作る力というのは、生まれつき自然と育ってくるなんてことはなくて、努力して獲得しなくちゃならない。また、話すということは、聞くということとセットにもなる。こういった力を持っていないかぎり、提案者としては仕事ができないのだ。

 管理者はというと、当然ながらスケジュール管理だろう。この分野には、ガントチャートという、原始的なツールがある。縦軸にジョブの種類、横軸に日付がとってあり、「いつからいつまでどの作業をする」を視覚化したものだ。これを描き、作業を分配し、チェックしていく。遅れの発生を早い段階で突き止め、すかさず対策する。そして、現実に合わなくなってきたら、適宜書き直す……そういう運用が前提になっている。プロジェクト・マネジメントのツールの中ではかなり原始的だが、こういうことすらわかっていなければ、その先だってない。