ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

ゲームほど素敵な仕事はないッ!(9)

 簡易なゲーム開発環境そのものは、昔からある。独立したばかりの頃のぼくがはまったのがそういうソフトの一つ、DIRECTORだった。より一般的には遅れて登場したFLASHの方だろう。インターネット環境での動作が前提となる分使いづらい面はあったが、何しろ安価(比較的、だけどね)だった。
 ただ、それらのオーサリングソフトは、プロのゲーム屋が製品開発に使うには、不十分なものだった。一部のノベルゲームは別として、基本的にパイロット版までのツールだったのだ。だが、現在のUnityは、れっきとした開発ツールだ。製品だって普通に作られる。 
 このような時代の中、今悩んでいることが1つある。ゲームデザイナー志望者は、修行にあたり、どちらを優先すべきかと言うことだ。
  ディベートドキュメンテーション、プレゼンといった、特にこの職種に求められるスキルを、直接的に磨いていくべきなのだろうか。それとも、Unity使って実際にゲーム開発をしてみるべきなのだろうか。
 「全部優先!」なんて昭和のモーレツ社員みたいなキーワードがつい頭に浮かんでしまう。でも、現代ゲーム開発はサイエンスだ。経済学でいう機会費用の問題…何かをするということは、他の何かができないということである現実…を無視することはできない。
 商品開発の現場の上の方にいる人との付き合いも、最近では増えてきている。聞いてみたいとも思うのだけど、 ただ、彼らにしても答えを持っているのかどうかはわからない。