ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

直球勝負、ゲームデザイン!(12)

 気づいたら、タイトル横の数字が桁上りしていた。「毎日更新」だった以前と違って、使った回数の把握がちょっとやりづらい。なるべく10回程度を上限にしようと思っているので、そろそろいったん区切りをつけたい。

 ここまでの話を、ざっと要約しておこう。

 ゲームデザイナーになるためにはゲームデザインができる人」になればいい提案者としての側面と、管理者としての側面があるから、その両方について、「できる人」になっておくことが必要だ。ただ、そのためにおさえておくべき対象は途方もなく広く、それぞれが結構高度。カリキュラムの中にすべて含むことはできないし、独学ならなおのことだ。

 では、どうしたらいいのか。

 実際のところ、新卒に対して「一人前」を要求するような会社はない。多くの会社は「まあ見習いってことで入ってもらおうか」と思って新卒や未経験者を採用する(そうじゃない会社は、そもそも新卒を採らない)。だから、卒業までに自分が上記のような意味での自分デザインを完成できそうになかったとしても、志望を取り下げる必要はない。

 とはいえ、そのことは「何もできなくてもいい」を意味してるわけじゃない。「いつまでも見習いのままでいてもいいからね」なんて言ってくれる会社はないわけで、入社後は早く一人前に育ってくれないと困るのだ。そのために与えられる期間は、せいぜい2年ぐらいのものだろう。最初のプロジェクトでは見習い、次のプロジェクトでは半人前、そしてその次には自分自身のプロジェクトを一人前として率いてもらわないといけないのだ。

 というわけで、やはり「一人前目指して修行している途中」であることは、必要なんじゃないかと思う。基本は自分自身の専門分野ってことだけど、提案者/管理者としての能力でも、未熟であるにはしても、その意義を理解し、自分のいるポジションでできることをちゃんとやっていることは不可欠だろう。