ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

2015-01-01から1年間の記事一覧

パラレるッ!(1)

先日、『Parallels Desktop』を11にアップグレードした。 これは、Mac上で他のOSを使うためのソフト。カテゴリー的には「仮想マシン」ソフトとなるらしい(Wikipediaがそうしていた)。これをインストールすると、Mac上に仮想マシンが出現し、そこに他のOSを…

「語る」を語ろう、戦争(終)

新しいメディアというのは、タブーへの突破口になる。実際のところ、ぼくたち創作者がぶちあたる壁は、文化とか風習とかいった、目に見えない壁じゃない。はっきり言えば、人だ。編集者やプロデューサーがOKをくれないから、小説やドラマとして世に出ること…

「語る」を語ろう、戦争(4)

明治時代、立身出世をめざす少年たちの間で「綴り方」が流行ったのだという。今で言う「作文」だけど、ずいぶん様相が違う。というのも、文体ばかりか題材や描き方までも決まった内容から選択しなければならなかったからだ。「余、友人と梅花を見んと欲し、…

「語る」を語ろう、戦争(3)

母の戦争体験のクライマックス部分にあるのが、風船爆弾だった。 これは、気球に爆弾を着けてジェット気流にのせてアメリカ本土を爆撃するという、かなり苦し紛れの作戦だ。軍部も途中で嫌気が差したのか、正式な開発から手を引いていたのだが、熱心な技術士…

「語る」を語ろう、戦争(2)

戦争体験を直接聞く機会というのは、まあ今の子どもたちには難しいだろう。でもぼくが小学生だった頃というのは、戦争が終わってからまだそんなに経ってたわけではない。ファミコン登場から今現在までの年数よりも、それは短いのだ。というわけで、今では大…

「語る」を語ろう、戦争(1)

岩波ホールで「戦争レクイエム」という企画上映を行っている。黒木和雄監督の戦争を扱った映画4本を、連続して上映するというもの。キーワードは「日常の中の戦争」。描かれているのは戦場ではなく市民生活の方だという。 こういうテーマの設定は嫌いじゃな…

引きこもりシミュレータか?

たまにFacebookを読む。週あたり2・3回ってとこだろうか。自分は書かない。たまに書いても、知人の記事にコメントするだけだ。ユーザー登録そのものはわりと早くにしたほうだけど、何に使ったらいいのかわからなくて……っていうか、他の人が書いているよう…

イン・ザ・東横

男一人旅、なんていえばロマンがあるし、若干の侘びしさ成分も含まれているのだけど、ぼくは出張の類でしか、ほとんどしていない。今日もその例にもれず、出張目的で東京にいる。 今回ちょっと新鮮だったのは、お宿だ。あの『東横イン』。有名なチェーン店だ…

裏声で呼ぶやフジヤマ

「霊峰」なんて二つ名がつく割には、富士山は俗っぽい。 まず、あまりにもその名が唱えられすぎていること。「山」とくれば富士山と返ってくるほどで、霊的なものが通常持つ「口にだすのが憚られる」成分、“フジサン”の4文字には、1ppmすら含まれちゃいない…

書くとか書かないとか(3)

文章を書いて社会に向けて発信するというのは、かつてはマスコミや作家・文化人だけの特権だった。特権というからにはそれは少数者だけのもの。生態系ピラミッドの頂点付近だけしか持たないわけで、底辺のあたりからそこまでのし上がることが、簡単なはずは…

書くとか書かないとか(2)

授業では、いきなり授業内容に入るんじゃなく、直接関係なさそうな雑談めいた話を、まずすることにしてる。これは、落語でいうマクラだ。内容は、世の中の話題とか、身辺的な出来事とか。そして、雑談のようでいて、その実、話す授業内容の伏線になっている…

書くとか書かないとか(1)

書きたいことがない。でも書きたい。ちょっと困った状況だ。 このブログ「毎日更新」の方針で始動、1年位はそれを守っていた。今は、書きたいときに書くことにしている。平日はあれこれ忙しいから、週末にまとめて数回分書く、そんな感じだ。 “週末”だから…

眠るように?(終)

そうこうしてるうちに出勤時間になった。 骨とか歯とか折ったっていうんならともかく、外傷の一つもない状態では休みをとるわけにもいかない。外科的な頭の痛さは簡単には引かなくて、そのままとぼとぼと歩き、出勤した。 今日は、1時限目から授業があった…

眠るように?(4)

頭を打った後、ぼくはソファの上に戻った。でも、そのまま眠るというわけには行かなかった。 何しろ、脳自体は痛くも痒くもないのだ。こうしている間にも、硬膜なりクモ膜なりの下で血管がブチ切れ、じわじわと血の塊が広がっているのかもしれないではないか…

眠るように?(3)

何でもないときでも、妙な予感に囚われることがある。 ある晩、寝入りそうになったとき、ふと「このまま死ぬ」ような気がしてきた。特に理由があったわけじゃない。体は(慢性的な肩の痛さを除けば)快調だったし、公私ともに特段の悩み事を持ってるわけじゃ…

眠るように?(2)

実はその日は最初からソファで寝てたわけじゃない。ベッドで寝ていて、早い時間に目が覚めてしまい、何か飲もうと降りていって、今でつけっぱなしのテレビを見始め、そのままソファに横たわってしまったっていう順番だ。 そもぞも、目覚めたきっかけが夢だっ…

眠るように?(1)

玄関から転落、頭を打った。 早朝なのか深夜なのかなんとも言えないぐらいの時間のことだ。ソファでのうたた寝から覚め、寝室で本寝をしようと立ち上がった後。ぼくは玄関の方に進みはじめた。なぜなら階段が玄関ホールのところにあるから。なので、そこから…

雑誌が消える!(終)

今回は、一週間にわたって断続的に書いてきたのだけど、そろそろ終わりにしよう。 週刊アスキーは、公式には「電子媒体への移行」ということになっている。この種の言葉は、まあ「廃刊」を「休刊」と言い換えてたのと同じような婉曲表現として使われがちなの…

雑誌が消える!(5)

実際のところ、本屋には膨大って言ってもいい種類の雑誌が並んでるわけで、その消滅を危ぶんでいるぼくの主張は、虚しく聞こえるかもしれない。 これには、ちょっと補足が必要だ。 事実、専門誌というのは、決して消えそうなわけじゃない。だけど一方で、そ…

雑誌が消える!(4)

週刊アスキーの前に、月刊アスキーがあった。これは、パーソナルコンピュータの世界では、クオリティマガジンといっていい代物だった。もちろんお高く留まってるわけじゃなく、相応に色物ページもあったのだが、そういうところに感じられるのも「ウィットと…

雑誌が消える!(3)

「LEON」、「Pen」、「MONOQLO」、「ターザン」、「ワイアード」、あと「エアライン」と「航空旅行」……今のぼくが読んでいる(定期購読はしてないけど、まあ結構よく買っている)雑誌を挙げると、こんなところになる。最後の2つはホビー誌だから、その時々…

雑誌が消える!(2)

なんで雑誌じゃなきゃだめなのか。今の時代なら、比較対象はインターネットってことになるだろう。となると答えは簡単。情報の、量とゆらぎだ。 先述の「初歩のラジオ」。タイトルで断ってあるぐらいで、まあそう難しい内容とは言えないものの、ほんとうの初…

雑誌が消える!(1)

クイーンの90年頃の名曲に「Radio Ga Ga」がある。 そこで歌いあげられてるのは、こんな内容だ。……ラジオ、それは少年時代の友人だった。世界大戦や映画スターそして火星人の襲撃まで、いろいろなものを教えてくれた。それがどうだい、今ときちゃ……(これ以…

斜鏡な日々(終)

今回はいつにも増して、だらだらと書き連ねてしまった。 元々が、ぼやきだからね。建設的でないのも、ちょっと仕方ない。実際、最近のぼくは特許法の写経に忙しく、あまりブログの文章を書いている時間がとれないでいる。今日は休日出勤で、しかも出勤時刻が…

斜鏡な日々(5)

お経は、憶えないといけないものなんだろうか。 現実問題として、アンチョコみながらお経を読む坊さんには、あまり会わない。実家の宗派は臨済宗で、般若心経以外にも「なむからたんのう、とーらーや、とーらーや、」なんて梵語を音転写したのまで、葬儀や法…

斜鏡な日々(4)

暗誦といえば、祝詞にも取り組んだことがある。 きっかけは、当時日課にしていた熱田神宮参拝でのことだった。その頃、ぼくは昼休みに早足ウォーキングをしていた。学校から出て、熱田神宮に入り、玉砂利をじゃりじゃりと踏みしめながら歩く、概ね30分ぐらい…

斜鏡な日々(3)

暗記が好きな人は少数派だろう。ただ、ノリと勢いでやれてしまうことがある。化学の周期表の「水兵リーベ」だって、作られたときはそんなシャレだったんだろうね。ぼくの代では、これはもう体制に組み込まれてしまっていたから、遊び心の対象にはならなかっ…

斜鏡な日々(2)

お寺には「写経体験」みたいなものもある。坊さんが直接指南してくれるような本格体験もたぶんどこかでやってるんだろう。でも前にぼくが体験したのは、もっと観光ライクなやつだ。場所は京都の三千院。入った部屋の一つがそのための場所だった。誰もいない…

斜鏡な日々(1)

試験が終わって、3週間がたった。パーッと遊んだのかっていうとそんなこともなくて、粛々と勉強を続けている。 最近やっているのは、条文の書き写しだ。条文の中の主要なものをチェック、ノートに手で書き出していく。 条文なんて、いくらでも印刷されたも…

プレステはるかなり(3)

なぜ盛り上がらないのか。 日本のゲーム産業の父とも言える、任天堂前社長の山内溥さんは、こんなことをよく行っていた。 「ゲームというのは生活必需品やない。 せやから、前のよりいいとか、数が多いとか、 そんなことじゃお客さんは買ってくれんのや!」 …