ゲームは究極の科学なり

フルタイムの教員モードに入っている企画系ゲーム屋があれこれ綴ります

ビット仕掛けの木鐸

選挙に向けて思うこと(6)

見えないから「ない」と思い込んでいたら、実はみえてないだけ…なんてことがよくある。 例えば、銀行の窓口は3時で閉まる。 「いいわね、あんたたち銀行員様はッ! 3時で終わって、後はお茶でも飲んでりゃいいんでしょ?」 こういうことを真顔でいう人とい…

選挙に向けて思うこと(5)

そもそも、何のために選挙をするのか。直接的にはもちろん「議員を選ぶ」ということなんだけど、これは「なんで議員という職業の人たちが存在しなければならないのか」、というところに来る。 理由1 民衆には、法律や予算の制定なんてできるはずがない。 政…

選挙に向けて思うこと(4)

まあ、実際には「一票の格差」問題もあるので、なかなか技術的に難しいだろう。ただ、技術的なプロブレムなんてのは、優秀なエンジニアにとっては「時間の問題」にすぎないとも言える。 また、別に自民党だけを対象にしているわけでもない。例には上げたけど…

選挙に向けて思うこと(3)

今の制度は、小選挙区と比例代表を併用している。ただ、結果として「どちらも党で選ぶ」になってしまう点に、問題がある。それを「少なくとも選挙区の方は人で選びたい」というのが、大選挙区制導入の目的意識だ。 そしてもう一つ、比例代表の方にも、手を入…

選挙に向けて思うこと(2)

今の選挙制度の不備は何か。投票する相手が見つからないことだ。 元々、選挙区の候補者の数は「定数+1」に収束することが多い(デュベルジュの法則)。最初は賑やかだった選挙区も、何度も選挙が続くにつれ、だいたいこの程度になってしまうのだ。小選挙区…

選挙に向けて思うこと(1)

選挙が始まっている。 基本的に他愛もないことを書き連ねているこのブログだけど、別にタブーを設けているわけじゃない。例えば宗教。ぼくはこれについては熱く語りたいものをちゃんと持っている男だ。それに、さまざまな宗教について、教理とか教義とか、不…

勇気を持って通せんぼ(終)

この「エスカレーターの追い越し列を通せんぼしよう」運動(仮称)。ぼく以外にも同じことを考えている人がいるようで、ときどきその実践活動に遭遇する。止まってしまった列についたとき、ぼくは先頭の人に向かって、心のなかで声をかけている。 「がんばれ…

勇気を持って通せんぼ(3)

エスカレーターの“追い越し車線”問題が悩ましい理由が、ひとつある。自分にできることがある、ということだ。 通常、社会運動の成功には、たいへんな労力を必要とする。昔、久米宏さん時代のニュースステーションで「世直しエイド」ってコーナーがあって、身…

勇気を持って通せんぼ(2)

機材へのダメージというのは、見た目にはわからない。でも、切実さとしては、こちらの方が上だろう。 現実に、エスカレーターの事故というのはしばしば起こっている。他ならぬ名古屋地下鉄の桜通線でも、突然の停止が原因で怪我人がたくさん出たという事故が…

勇気を持って通せんぼ(1)

地下鉄の長いエスカレーターに乗るたびに、悩むことがある。“追い越し車線”の存在だ。 急ぐ人のために片側を開ける、これはいつのまにか登場し普及したルールだ。高速道路のハザード点滅と同じで、こういう自然発生なルールというのは、法学部出としてなかな…

奴隷じゃなくて「貴族」でしょ?(終)

ブログという言葉、本来はウェブの記録=WebLogから来ている。 「やあ、みんな。ボクはこの件について、こんな記事を見つけたぜ。 みんなもぜひ引用先をクリックして読んでごらんよ!」 この“ボク”が特定分野について詳しい人だと、そのお墨付きがある記事と…

奴隷じゃなくて「貴族」でしょ?(4)

今回、かなり熱くなっている。「社会の木鐸」なんて言葉があるけど、打ち鳴らすための木槌が自分の手の中にあることに気づいてしまったからだ。 前にも触れたように、今特許法の改正が進んでいる。 現行の特許法では、発明者になれるのは自然人だけで、法人…

奴隷じゃなくて「貴族」でしょ?(3)

既に著作権の後期授業が始まっていて、その中でこの件についても触れている。 意識の高い学生は、ちゃんと中村氏のことを知っていた。ただ、「会社からやめろと言われても続けた研究の成果なのだから」という、中村氏によって繰り返し語られていた軸の説明を…

奴隷じゃなくて「貴族」でしょ?(2)

で、中村氏の発明について考えてみよう。 そもそもなぜ特許をとれたのか。いうまでもない。クレームが優れていたからだ。青色LED自体は既に大学の先生たちが発明していたから、ふつうに出願しても拒絶されるだけ。それを「青色LEDを製造する実用的な方法」と…

奴隷じゃなくて「貴族」でしょ?(1)

ノーベル賞がらみの記事、早々に畳んでしまったけど、一点心残りな点があった。中村修二氏について、もっと書きたかったのだ。 ただ、それは結局特許そのものの話題ってことで記事量がどうしても膨大になってしまう。がまんしてたんだが、そしたら、ハフィン…

これも「さらば」になっちゃう?(終)

書きながら気がついたことがある。 前に書いた「豊かさの象徴」として「憧れの対象」になったマクドナルド。日本では70年前後の話だけど、国によってはもっと最近に同じ現象が起こっている。その好例がロシア。ソ連崩壊後に初めてマクドナルドが出店した時、…

これも「さらば」になっちゃう?(5)

まああれこれ書いてきたんだけど、当然これらは自分の経験に根ざした見解にすぎない。書いた姿勢が公正であることは誓えるけど、公平であるための努力は特にしていない。統計的な有意差を導けるような複数店舗を回ったわけじゃないし、測定可能な根拠を示せ…

これも「さらば」になっちゃう?(4)

「スラム感」をキーワードに書き続けてきた。でも、マクドナルドに立ち寄らなくなった最大の理由は、実はこれではない。店がなくなってしまったのだ。 名鉄神宮前駅から熱田神宮に向かって歩く道の最初の信号のところに、それはあった。いつからなのかは知ら…

これも「さらば」になっちゃう?(3)

ぼくは企画屋だ。これは、かなりマーケ屋的な側面を持っている。そしてティーチャーとしては、マーケティングという知恵の普及に努めてもいる。ただ、マーケ屋にも実業系と虚業系とがある。何かを作る(創る/造る)ためにマーケティングを活用しようとする…

これも「さらば」になっちゃう?(2)

今は「残念な食事処」の代名詞となってしまったマクドナルド。だが、かつて憧れの対象だった時期があったという。60年代、日本はまだ十分には豊かじゃなく、アメリカは過剰なほどに豊かだった。初上陸当時のマクドナルドは、その羨望すべき豊かさを象徴する…

これも「さらば」になっちゃう?(1)

ノーベル賞記事で踊っている紙面の片隅に、「マクドナルドがついに赤字転落」なんてのがあった。 言われてみれば、確かにもう長いことお客として使っていない。かつては仕事帰りに立ち寄ったり、街に出た時に入ったりしたものだが。 マクドナルドを敬遠する…

まもなくノーベル週(終)

名古屋という中央から遠く離れた土地にいると、ここで話題になっている現象が、ローカルな話題なのか全日本的な話題なのか、悩むことがしばしばある。今回のノーベル物理学賞、共同受賞の3人中2人までが名古屋人という事情もあり、かなりの盛り上がりだ。 こ…

まもなくノーベル週(5)

書き始めた当初は「まもなく」だったノーベル週、続々と発表されている現在では「たけなわ」になっている。しかも、なんと今年は物理学賞を日本の研究者が受賞した。 考えて見れば、青色LEDというのは世紀の大発明で、人類社会への恩恵ときたら『ジャイアン…

まもなくノーベル週(4)

ぼくぐらいの世代(以上)の日本人が、ノーベル平和賞について冷ややかになれる事情。これは、佐藤栄作氏の授賞というのが、とても大きい。若い世代にとっては歴史上の人物(しかもそれほど太文字ではない)に過ぎないこの人は何者なのかというと、昔の自民…

まもなくノーベル週(3)

まあありえないからネタになるんだが、それでも「もし」ということは思う。 もし「日本人」なんてのがノーベル平和賞の対象になるとしたら、どういう向きが反発してくるだろうか。当然想像されるのは隣国人だけど、その辺をからかって書いたりすると、ネット…

まもなくノーベル週(2)

賞がしっくりくるための条件。それは、格付けと受賞者との間にちょうどいいバランスが存在することだ。具体的には、受賞によって名が高まる人が受賞するということになる。例えばぼくが突然「山田ゲーム賞」なんてのを作ったとする。この受賞者としてしっく…

まもなくノーベル週(1)

来週は、ノーベル賞の発表がある。 特に嫌っているわけではないけど、毎回の大騒ぎがどうも気に入らないし、受賞者でも出た日にはもう馬鹿騒ぎとしか言いようがなくって、結果的にかなり嫌いだ。 今回、どうしようもなく違和感のあるニュースが飛び込んでき…

左側で行こうよ

江戸時代の人は左側を歩いたという。右側を歩くと、刀の鞘がぶつかりやすくて、社会的に危険だからだそうだ。すれ違いざまに抜き打ちなんてこともやりづらいから、セキュリティ的にもその方がいいんだろう。 となれば、馬だって左側を通ったんだと思う。明治…

「ツン読」なんて誤解されそう

本は「とりあえず買っておく」派だ。だから買ったからといってすぐに読むとは限らない。 元々あったこの傾向が、ブックオフに出入りするようになって強まってしまった。ブックオフ以前において、本とは高価なもので、吟味に吟味を重ねた末に買うようなところ…

Mr.サマータイム(6)

9月になってしまった。サマータイムの話を書いているうちに、だんだんサマーが終わってくるのも皮肉なものだ。実際、暑くない日が続いてるし。 ところでサマータイム、この呼び方が、現実にはかなり欺瞞臭い。導入されている国の実際の運用を見ると、名前倒…